ペット共生型賃貸のハウスクリーニング費用負担とは？ガイドラインで解説【第2回】

賃貸物件の修繕や工事費用は、居住年数によって負担割合が変わります。特に壁紙やカーペット、クッションフロアなどの内装材は経年劣化が考慮されるため、住む期間が長いほど負担が軽減される仕組みがあります。本記事では、その仕組みと負担割合の具体例について詳しく解説します。

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

例えば、壁紙の場合、6年以上住んでいればその残存価値は「1円」まで下がります。このため、6年の経過で残存価値が1円となる場合、借主の負担割合は経過年数に応じて直線的に減少します。

この考え方は、国土交通省がリリースしているガイドラインで示されています。
（参考：東京都住宅政策本部／賃貸住宅トラブルガイドラインhttps://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-9-jyuutaku.pdf）

上記3つの内装材は、居住年数に応じて費用負担割合が減少します。例えば、3年間住んだ場合、壁紙の請求額が全額となっている場合は、経過年数を考慮して50％の負担割合にしてもらう必要があります。特にペットを飼っている場合、「ペットを飼っているため経過年数の考慮は不要」と言われるケースがあります。

しかし、ペットを飼っていようといなかろうと、経過年数は考慮されなくてはならなりません。もしも請求内訳の中に負担割合が記載されていないのであれば、全額請求されている可能性が高いため、貸主や管理会社に確認をしてもらいましょう。

修繕箇所	経過年数の考慮	借主の負担単位
壁紙・カーペット・クッションフロア	6年で残存価値が1円となるような負担割合を算定	㎡単位が望ましいが、毀損した箇所を含む1面分までは借主負担としてもやむをえない

オーナーが知っておくべき「原状回復義務」

ペット飼育可能な物件について、オーナーが知っておくべき「原状回復義務」について解説いたします。

オーナーとして、ペット飼育可能な物件の契約書は慎重に取り決め、トラブルを未然に防ぐ対策を講じることが重要です。特に、ペットを飼っている場合の退去費用はペットによる部屋の損傷や汚れの程度によって変動します。

ペット飼育可能物件のオーナー必見！契約書のポイントと退去費用の内訳

ペット可物件を提供するオーナーにとって、契約書の取り決めや退去時の費用精算は重要なポイントです。ペットによる部屋の損傷や汚れは、退去費用に直結するため、契約書で明確な取り決めをしておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。

壁紙の汚れ・傷・破れ	ペットが壁紙をひっかいたり傷つけたりした場合、修繕費用が発生します。壁紙の張り替え費用は、6畳の部屋でおよそ4～5万円程度。
フローリング・畳の傷	ペットがフローリングや畳に傷をつけた場合、修繕費用が必要です。フローリングの張り替え費用は、6畳の部屋でおよそ10～15万円程度。
柱の傷	犬や猫が柱を噛んで傷つけた場合、修繕費用がかかります。柱の修繕費用は、2～6万円程。
ふすま・障子の汚れや破れ	ペットによる、ふすまや障子の汚れや破損は、修繕費用が発生します。ふすまや障子の張り替え費用は、1枚あたり2,000～8,000円程度。
ペットのにおい	ハウスクリーニングによるペットのにおいの除去費用は、1Rの部屋でおよそ3万円程度。

ペット可物件でも、ペットが部屋を傷つけた場合は修繕費用を借主が負担する必要があります。ペット臭の除去にも費用がかかりますが、適切なハウスクリーニングを選ぶことで費用を抑えることができます。

退去時には、これらの費用を理解しておくことが重要です。詳細な金額や負担割合は物件ごとに異なるため、契約前に管理会社を通して確認しておくことをおすすめします。

ハウスクリーニングにかかる費用の相場

ハウスクリーニングにかかる費用の相場は、1Rや1Kのお部屋で25,000～50,000円程度です。借りている部屋が広ければ広いほど、ハウスクリーニングの費用も上がります。

ペットのにおいは、ハウスクリーニングなどを行わなければ取ることができないため、ペット可物件では基本的にハウスクリーニングにかかる費用全額が借主負担となります。

ハウスクリーニングを頼むメリット

ハウスクリーニングのプロに依頼すれば、専門的な知識と道具で効率的かつ徹底的な清掃が可能です。時間を節約し、退去時の費用削減にもつながる安心できる方法です。

ハウスクリーニングのプロに依頼することは、清潔で快適な生活を維持するための頼れる選択肢です。