コロナ禍やDX化の普及など、時代の流れとともに不動産会社に求められるものは日々変わっています。これからの不動産賃貸仲介・管理会社の使命は「まちづくりの一翼を担うこと」と言っても過言ではありません。あらゆる物件がその特性を存分に活かせれば周辺エリアを活気づけることができ、人流の増加・創出も可能です。

今回ご紹介するのは、まさにその事例です。イチイ吉祥寺店では事業所用店舗の仲介管理も行っており、2025年11月にオープンした「DORM INOKASHIRA(以下、DORM)」もそのひとつです。

オープン早々から人が絶えない賑わいの場になっていたDORM。どのようにして誕生したのでしょうか。オープンまでの経緯を辿りつつ、店主・湊さんに現状や今後の抱負についてお話を伺いました。

難航していた物件探し。朗報は地元の知人から

井の頭4丁目でオープンしたDORM INOKASHIRAの外観とオープンの様子
店内の一角に飾られていた工事前のDORMの写真。ここから全てが始まった。

今では考えられませんが、DORMがオープンする前はオーナー様が頭を抱える物件でした。築古でスケルトンという難しい条件が揃っており、長らく空室が続いていましたが、湊さんとの出会いによって現在の洗練された賑わい場に生まれ変わりました。

地域活性化を目的に、地元の井の頭エリアでカフェを営みたいと考えていた湊さんですが、物件探しが難航していました。そんな中、湊さんのもとに朗報が入ります。

地元のママ友経由で空き店舗(現DORM)のことを知ります。ママ友の同級生である、井の頭公園通り商店街で代々美容室を営んでいる「美容室ひがき」さんが教えてくれたのです。当時、その空き店舗の鍵を管理していたのが地元で開業されている建築士・廣瀬さんでした。

[改装前]スケルトン状態の室内

築古スケルトン物件を再生

▲給排水や電気設備の図面も残っておらず、カフェを開業するのにあたり、どのようなハード面のリスクがあるのかを調査したり、判明した懸念事項の改善が必要だった。埋設管は使用されていないと分かったのでモルタルで埋めた。

[改装前]勝手口の水道菅

吉祥寺エリアの空き店舗物件と周辺環境(店舗リーシング事例)

▲裏の勝手口。水道管は水道メータから外壁まで露出して這わせ、室内まで取り込んだ。

DORMのある井の頭4丁目は今では閑静な住宅街ですが、かつては人の往来が多い活気あるエリアでした。その歴史を知るほど今の景観にもの悲しさを感じますが、またそれがノスタルジックな魅力にも見えるから不思議です。

湊さんも井の頭4丁目の魅力に惹かれ、連絡を受けた後すぐに空き店舗(現DORM)の鍵を管理していた建築士・廣瀬さんのもとへ訪れます。すると廣瀬さんはすぐにオーナーを連れてきてくれました。オーナーから仲介・管理を担っていたイチイ吉祥寺店を案内され、そこから内見立会い、申し込み、工事、引き渡しを経て、2025年11月にDORMがオープンしたのです。

難しい物件にも最適なテナントはいる

イチイ吉祥寺店長と店主が店舗再生について談笑する様子(地域密着不動産の取り組み)
朗らかな雰囲気で談笑する湊さんと吉祥寺店の石井店長。

ハード面で問題を抱えている物件が好事例になった要因は地域のつながりです。難しいと思われる長空物件でも身近なところに物件を探している人はいます。

しかし、情報社会の現代においても見逃してしまう可能性は大いにあります。埋もれてしまう開業検討者とオーナーを引き合わせることができるのが地域のつながりであり、それを実現させられるのが地域に根ざした不動産業者なのです。

今回の事例を一言で表すなら「三位一体」と言えます。井の頭エリアに精通し、並々ならぬ熱意をもった湊さん。地域のつながりから出会った設計士で、井の頭で開業している一級建築士の廣瀬さん。そこにオーナー様や物件、不動産管理を熟知しているイチイが入ったことで、次々と現れる難題を乗り越えることができたのです。

素敵な店舗は新たなテナントを引き寄せる

井の頭4丁目にオープンしたDORM INOKASHIRA
コーヒー・サンドイッチ・ギャラリーがテーマのDORM。メニュー、イベントともにスピーディーに変化を遂げている。

DORMに訪れたのは12月某日。11月にオープンしたばかりと聞いていましたが、すでにまちの賑わい場になっていました。店主の湊さんにお話を伺いました。

――オープンおめでとうございます。洗練されていながらも心がほっこりするような温かさがあるお店ですね。とても素敵です。無事にオープンを迎えられた今のお気持ちを教えてください。

湊さん(以下、湊):ありがとうございます。おかげさまでママ友をはじめ地域の方にご来店いただいています。物件探しから数えると長い時間を要しましたが、やりたかったことができたと思います。オープン初日は頭の中が具現化されたこともあって達成感に満ち溢れていましたが、「これはゴールではなくスタート」と再認識したら一気に現実に引き戻されて(笑)。日々試行錯誤しながら取り組んでいます。

――DORMはカフェでありながらアーティストの作品も展示されているんですね。

湊:はい、想像以上にいろいろなことがスピーディーに進んでいます。今作品を展示している佐藤さんは、子ども同士が同級生で。そのご縁でDORMで展示させていただくことになりました。これからもこういった取り組みを広げていきたいです。

DORM INOKASHIRAで開催されるアーティストのギャラリー
この日はグラフィックデザイナー・佐藤重雄氏の個展。色鮮やかで緻密な切り絵が飾られていた。佐藤氏はDORMのロゴ・コーヒーパッケージデザインも手がけた。

――オープン後、以前の湊さんのように事業物件を探している方がいらっしゃったそうですね。

湊:そうなんです!「ここにこんな素敵なお店ができたんですね、私もこの辺りで自分の店を持ちたいんです」という方がいらっしゃって。吉祥寺店の石井店長が早速やりとりされたみたいです。

――以前「井の頭のリビングルーム」を目指すとおっしゃっていましたが、すでにいろいろな人が出会い、人と地域をつなげるハブのような場所となっているのですね。私たちもお力になれて大変光栄です。今後の抱負についても教えてください。

湊:コーヒーのお歳暮やサブスク、ケータリングのご要望をいただいているので、少しずついろいろなことに挑戦したいですね。とはいえ、まだ何にどれくらいかかるのかを探っている状態。ペースを掴みながらやっていきたいと思います。

長期空室だった築古物件が、地域のつながりで再生
笑顔でお話ししてくれた湊さん。これからのDORMの活躍から目が話せない。

地域に深い想いがあるテナント様と物件を繋げること。それが、不動産業者の使命だと私たちは考えています。イチイ吉祥寺店とPM事業部では、地域密着で物件と入居者様のベストマッチングに努めています。所有物件のお悩みやお困り事があるオーナー様は、お気軽にご相談ください。

築古店舗物件の管理・リーシング支援による再生事例(長期空室対策)
温かさが漂う洗練された店内。
地域のつながりを大切にするDORM INOKASHIRA
こだわりのコーヒーとサンドイッチはどちらも絶品!
  • 住所:東京都三鷹市井の頭4-14-11
  • 営業時間:10:00~18:00
  • 定休日: 月、火曜日
  • Instagram :@dorm_inokashira
  • 住所:〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町2-7-2 メイプル1F
  • 電話番号: 0422-76-3676
  • FAX番号: 0422-76-3670
  • 営業時間: 10:00~18:30
  • 定休日: 水曜日、第1・第2・第3火曜日
  • 住所:〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-12-1 パークウェスト6F
  • 電話番号: 03-5990-5091(代表)
  • FAX番号:  03-5990-5191
  • 営業時間: 9:30~18:00(月曜〜土曜)
  • 定休日: 日曜日