ひとりで生活できない濃厚接触者、介護施設にも入居できず
新型コロナウイルスの感染拡大は、ご高齢者の暮らしにも深刻な影響を及ぼしています。今回は、要介護のご高齢者が自宅にひとり取り残されてしまった事例をご紹介しましょう。
ケース1:要介護4のSさん(85歳女性)
昨年夏、要介護4のSさん(85歳女性)を都内の自宅で介護していた娘さん(52歳)が、コロナに感染していることがわかりました(PCR検査で陽性)。
そのため、娘さんは高齢の母親と2人暮らしの自宅には戻れなくなったのです。このとき、母親Sさんの弟さんから当社シニア事業部に、こんなご相談がありました。
「介護者がいないと、姉のSは1人では生活できません。すぐに入居できる介護施設を探してほしいんです」
そこで、空き室のある介護施設に問い合わせたところ、すべての施設から入居を断られました。感染者と同居していたSさんは、現状では濃厚接触者に当たるという理由からです。
困り果てた弟さんは、自治体に相談してみることにしました。
このとき、「今は後悔しています」とこれまでの経緯を話してくださったのです。
〈つづく〉
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