新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、住み替えを望む高齢者が増えてきました。一体どういうことでしょうか。今回は、コロナ禍における高齢者の住み替え事情について、現場の様子や戸惑いなどをお伝えしたいと思います。
「家族にも会えなくなったことが一番苦しいです」
いま高齢者向けの介護施設では感染予防対策のため、厳戒態勢を敷いている施設が大半です。
館内の衛生管理の徹底にとどまらず、来訪者との面会や外出、外泊なども禁止されています。
厳戒態勢の高齢者施設
その結果、介護施設での感染は最小限に抑え込まれていると評価する声は少なくありません。
重症化しやすい高齢の入居者の命を守るため、最前線で奮闘する職員の皆様には感謝と敬意を表したいと思います。
招く入居者の孤立
一方ではそうした大きな成果と引き換えに、失われていくものもあるようです。
人との接触を避ける厳しい措置が、入居者の孤立を招いているという専門家からの指摘も耳にします。
先日、神奈川県の有料老人ホームに入居中の女性(82歳)からこんなご相談がありました。
「私は以前はよく許可をもらって外出し、子どもや孫、友人たちと会っていました。今は、家族にもまったく会えなくなったことが一番苦しいです。どこか他の施設に移れないものでしょうか」。
少し涙ぐんでいらっしゃいました。
<つづく>
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