高齢者住宅は、身体の衰えだけで退去を求められない
近年は訪問介護や通所介護のサービスが充実してきましたので、「自立型の高齢者向け賃貸住宅」ではヘルパーさんに居室へ来てもらうなど外部から介護サービスの提供を受ければ、要介護者でも十分に暮らしを営むことができます。
そうした住まい方への理解が進むなか、実際に要介護者が入居するケースも増えてきました。
お一人では廊下にも出られないある要介護の方ですが、自由な暮らしを望んで「自立型」に入居されました。デイサービス(通所介護)には週3回通っていますが、「行くとお風呂に入れてもらえるので楽しいですね」と話していました。
今は多様な選択肢がある老後の住まい
この「自立型」希望者から最も多く寄せられるのが、こんなご質問です。
「将来介護度が重くなったとき、出ていかなければなりませんか?」
「いつまで入居していられるのですか?」
私たちはこうお答えしています。
入居者が居住権によって守られる賃貸住宅の場合は、身体の衰えを理由にして貸主から退去を求められることはありません。
但し、万が一認知症になられて館内を徘徊してしまうなど、他の入居者との共同生活が困難になったときは継続できない可能性もあります。そこは普通の賃貸マンションと同じルールだと考えてください。
これまでご紹介してきたように、老後の住まいは今、さまざまな種類・カテゴリーの中から選べる時代になりました。
従来のように「老後の住まい=老人ホーム」という一択だけではないのです。
そんな昨今の状況が分かれば、自分らしく心豊かなセカンドライフに向けて選択肢が広がっていくのではないでしょうか。
〈つづく〉
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