日本のペット保険加入率は約20%

日本のペット保険加入率

日本のペット保険加入率は、民間企業の推計では約20%です。およそ5頭に1頭の犬・猫が加入している計算になります。

ただし、日本にはペット保険の加入率を示す公的な統一統計がありません。集計対象となる保険会社や飼育頭数、算出時点によって、数字が異なることがあります。

例えば、株式会社富士経済がまとめたペット保険の保有契約数と、一般社団法人ペットフード協会の犬・猫飼育頭数をもとに算出した2024年時点の加入率は、21.4%とされています。

日本のペット保険加入率が海外より低い主な理由

日本のペット保険加入率が海外より低い主な理由は、次のとおりです。

  • ペット保険の歴史が比較的浅い
  • 必要性や補償内容が十分に知られていない
  • 若く健康なうちは治療費を想像しにくい
  • 保険料と補償内容を比較しにくい
  • 貯蓄で備えるという考え方もある

一方で、ペットの長寿化や動物医療の高度化により、治療費への備えとしてペット保険を検討する人は増えています。

日本と海外のペット保険加入率の違い

日本のペット保険の加入率

ペット保険は、すべての国で同じように普及しているわけではありません。日本よりも加入率が高い国として、スウェーデンやイギリスが挙げられます。

ペット保険加入率の目安調査日特徴
日本約21.4%2024年時点・犬と猫市場は拡大しているものの、犬や猫の約8割は未加入
イギリス犬:約25%
猫:約12.1%
2023年時点・犬と猫を別々に集計ペット保険が比較的身近で、犬の加入率が猫より高い
スウェーデン50%以上
調査によっては約65%
主に2022年時点の参考値ペット保険の歴史が長く、世界でも加入率が高い国の一つ

※ペット保険の加入率は、調査年、対象となる動物、契約件数や飼育頭数の算出方法によって異なります。そのため、国ごとの数値はあくまで目安として比較。

※NTTデータ経営研究所は、2022年時点の参考値として、日本約9.4%、スウェーデン約65%を紹介しています。ただし、日本の近年の推計である約21.4%とは調査時期や算出方法が異なります。

なぜ日本のペット保険加入率は低いのか

日本はなぜペット保険加入率が
低いのか

ペット保険の歴史が比較的浅い

日本では、人の生命保険や医療保険ほど、ペット保険が生活に定着していません。
ペットを迎える際に保険の案内を受けても、

  • 健康だから、まだ必要ない
  • 高齢になってから考えればよい
  • 病気になったときに検討したい

と考える飼い主もいます。
しかし、ペット保険には新規加入できる年齢の上限や、加入前に発症した病気が補償対象にならないなどの条件があります。そのため、病気になってからでは希望する保険に加入できないこともあります。

動物病院の治療費を想像しにくい

犬や猫には、人と同じような公的医療保険制度がありません。そのため、動物病院での診察、検査、投薬、入院、手術などの費用は原則として飼い主が全額負担します。

日頃、ペットが若く健康な時期に病気やケガにかかる費用は想像しずらいです。「それほど高額にならないだろう」と考えていても、検査や継続治療、手術が必要になると支払いが大きくなることがあります。

保険料が掛け捨てになると感じる

ペット保険の多くは、病気やケガをしなければ保険金を受け取ることがありません。
そのため、

  • 毎月保険料を払うより、治療費を貯蓄した方がよい
  • 保険を使わなければ損をしたように感じる

と考える人もいるかと思います。ペット保険は、支払った保険料以上の金額を必ず受け取れるわけではないので、予期しない高額治療によって、治療の選択肢が狭まることを防ぐ備えとして考える必要があります。

補償内容が分かりにくい

ペット保険には、さまざまな違いがあります。

  • 補償割合
  • 年間の支払限度額
  • 1日あたりの限度額
  • 通院・入院・手術の補償範囲
  • 年間の利用回数
  • 免責金額
  • 補償対象外となる病気
  • 更新時の保険料
  • 加入できる年齢

選択肢が多い一方で違いを理解しにくいことも、加入を迷う理由の一つです。

ペットを迎える方法によって案内の機会が異なる

ペットショップなどでは、犬や猫を迎える際に保険を案内されることがあります。保護犬・保護猫の譲渡知人からの引き取りや野良猫の保護などでは、保険について説明を受ける機会が少ない場合があります。

ペットを迎えた時点で保険を知る機会があるかどうかも、加入率に影響すると考えられます。

大手保険会社による業界再編も進む

大手保険会社による業界再編

第一生命ホールディングスは2023年3月、アイペットホールディングスを完全子会社化。アイペット損害保険は、その後、第一生命グループの一員として事業を展開しています。

また、2026年4月には親会社の商号変更に伴い、アイペット損害保険も「第一アイペット損害保険」へ商号を変更しています。

業界再編が進んでいるからといって、小規模な保険会社が淘汰されると断定することはできません。飼い主は企業規模だけで判断せず、補償内容や保険料、支払実績、更新条件、経営の安定性などを総合的に確認することが大切です。

Amazonでもペット保険の販売が始まっている

Amazonは2023年11月から、ペット保険「わんにゃん安心保険」の取り扱いを開始しました。Amazonが募集代理店となり、あいおいニッセイ同和損害保険の子会社であるリトルファミリー少額短期保険が商品を提供しています。

インターネット通販やスマートフォンを通じて申し込める保険が増えることで、これまでペット保険に関心がなかった人にも、保険を知る機会が広がると考えられます。

ペット保険を選ぶときの確認項目

ペット保険は、加入率の高さや会社の知名度だけで選ぶものではありません。契約前に、少なくとも次の項目を確認すると安心です。

補償割合治療費の50%、70%など、保険会社が負担する割合を確認。補償割合が高いほど自己負担を抑えやすくなりますが、一般的に保険料も高くなる。
通院が補償されるか手術や入院だけを対象とする商品と、日常的な通院も対象とする商品がある。皮膚病や耳の病気、慢性疾患などでは通院が続くこともあるため、補償範囲の確認が必要。
支払限度額と利用回数年間限度額だけでなく、1日あたりの限度額や年間利用回数が定められていることがある。補償割合が高くても、限度額を超えた部分は自己負担になる。
補償対象外の病気や治療予防接種、健康診断、去勢・避妊手術、妊娠・出産、歯科治療、先天性疾患などは、補償対象外となることがある。保険会社や商品によって条件が異なるため、重要事項説明書や約款を確認。
年齢による保険料の変化加入時の保険料だけでなく、ペットが高齢になったときの保険料も確認。若い時期は負担が小さくても、更新のたびに保険料が上がる商品も。
高齢になっても更新できるか新規加入できる年齢と、継続更新できる年齢は異なるので、終身で更新できても、更新条件や保険料の変更について確認が必要。

よくある質問

Q
日本のペット保険加入率は何%ですか?
A

公的な統一統計はありませんが、民間企業の推計では約20%です。2024年時点の推計として、21.4%という数字も公表されています。

Q
なぜ調査によって加入率が違うのですか?
A

集計する保険会社の数、保有契約数の時点、犬・猫の飼育頭数、対象動物などが異なるためです。比較する際は、調査年と算出方法を確認する必要があります。

Q
ペット保険は高齢になってからでも加入できますか?
A

加入できる商品もありますが、多くの商品には新規加入年齢の上限があります。また、加入前に発症した病気は補償されないことがあります。

Q
動物病院の治療費は全額自己負担ですか?
A

日本にはペットを対象とした公的医療保険制度がないため、基本的には飼い主が全額を負担します。ペット保険に加入している場合は、契約内容に応じて治療費の一部が補償されます。

Q
海外ではペット保険への加入が義務なのですか?
A

国や地域によって制度は異なりますが、病気やケガの治療費を補償するペット保険が、一律に義務化されているわけではありません。

ただ、犬が他人にけがをさせたり、物を壊したりした場合に備える賠償責任保険については、国や地域によって加入義務が設けられていることがあります。

Q
ペット保険と貯蓄はどちらがよいですか?
A

どちらにも特徴があります。保険は突発的な高額治療に備えやすく、貯蓄は使用目的や治療内容に制限がありません。保険とペット医療用の貯蓄を組み合わせる方法もあります。