ペットを災害から守るために先ず必要な事は、飼い主さんが安全でいることです。飼い主さんに何かがあっては、ペットは生活の基盤が失われてしまいます。


ペットと安全に避難する際に、最低限出来ておいた方が命を守れるしつけがあります。これらは飼い主さんが日頃からペットに教えてあげる必要があります。「うちの子は、何も覚えないから・・・。」と諦めてはいけません。いざというときに命を守るためのしつけです。根気よく楽しく普段から教えてあげましょう。

災害時に備えたクレートレーニング

災害が発生した時、飼い主がペットを連れて避難しようとしてもペットがパニックになり、いつもと違う行動を取る可能性があります。こうした状況下で、人とペットがすみやかに避難するためには、普段からキャリーバッグなどに入ることを嫌がらないように慣らしておくことや、犬の場合は、「待て」「おいで」などのしつけをしておくことが重要です。

「待て」「おいで」「お座り」「伏せ」の4つの基本動作を覚えさせたら、自宅でクレートに入る練習をしましょう(※この事をクレートトレーニングと言います)。

クレートトレーニングとは?

「クレート」とは持ち運びが可能な箱型のハウスで、全面が囲われており、持ち手と扉が付いているのが特徴です。主にプラスチック製が多く、犬を移動させる際に使われますが、布製で軽量なものもあります。選ぶ際には、犬が中で方向転換できる大きさがポイントです。

一方、「ゲージ」は主に室内で使用され、柵状になっているため開放感がありながらもペットの行動を制限できます。素材は金属やプラスチックが一般的で、家の中の安全なスペースとして確保できます。両者は異なる目的で使われるため、ペットの生活スタイルやニーズに合わせて選ぶことをお勧めします。

緊急地震速報のアラートを聴いたらクレートやゲージに駆け込む訓練を普段の遊びの中で学習させると、お留守番時でもできるようになります。ペット見守りカメラ等も設置すれば、リモートで声を掛けたり、避難しているか確認することもできます。

同行避難で必要なペットのしつけと準備

同行避難にて避難所にペットを連れて行った時には、人や他の動物を怖がったり、むやみに吠えたりしないこと、クレート、ケージやキャリーバッグに慣れていること、決められた場所で排泄ができることなどが必要になります。

社会化やしつけは、他人への迷惑となる行動を防止するとともに、ペット自身のストレスも軽減することにつながりますので、日頃から気をつけてしつけをしておきましょう。普段のお散歩の際に避難所までの動線チェックや避難訓練をすることも大切です。

また、避難所や動物救護施設ではペットが体調を崩し、下痢や嘔吐、食欲不振などのストレス兆候を示すことが報告されています。それに加え、他の動物との接触が多くなることから、感染リスクも高くなります。普段からペットの健康管理に注意し、予防接種やノミなどの外部寄生虫を駆除するとともに、トリミングなどを行いペットの健康と衛生を確保しておくことが大切です。

さらに、もし逃げてしまうなど行方がわからなくなった場合のために、マイクロチップの装着や、繁殖を防止するために不妊去勢措置の実施も推奨されています。不妊去勢措置には、性的ストレスの軽減、感染症の予防、無駄吠えなどの問題行動の抑制などの効果もありますので、獣医さんに相談してみましょう。

災害時に関わらず普段から備えておくこととしては以下の通りです(犬の場合)

  • 狂犬病予防接種に加え各種ワクチンを接種する。
  • 犬フィラリアやノミダニなどの寄生虫の予防、駆除を行う。
  • シャンプーやトリミングにより身体を清潔に保つ。

災害時に備えたしつけ(普段から愛犬と練習をしましょう)

一般的な犬のしつけ方

基本のしつけの目的は、愛犬との絆を深めることです。
「オスワリ」と言われたら座る、「フセ」と言われたら伏せる、といった行為を教えること自体は、コミュニケーションをとるための手段に過ぎないので、しつけの目的を勘違いしないようにしましょう。しつけの目的はワンちゃんが愛すべく家族の一員となることです。

「これをやりなさい」と一方的に指示するのではなく、犬に「これをするとよいことがある」というポジティブな動機をもってもらうことが大切です。飼い主さんが喜んでくれることだと理解したら、ワンちゃんは自分から進んで行動するようになります。そのしぐさはとてもけなげです。

褒めて育てることが重要です。愛犬との絆を深めていくためには、「飼い主が丁寧に導いてうまくできたら褒める」というポジティブなコミュニケーションの積み重ねが必要不可欠です。

褒めるしつけで愛犬との絆を深める

愛犬と絆が深まっていくと飼い主が導かなくても、犬は教えたことをスムーズにできるようになります。「飼い主さんに褒めてもらいたい」という思いから、愛犬が自ら行動できるよう取り組んでいきましょう。
褒めるしつけの最大のメリットは、犬に不必要なストレスを与えずに、飼い主さんの望む正しい行動を教えられる点です。それだけではなく、褒められたことで犬が「嬉しい」や「楽しい」と感じたら、また褒められたくて同じ行動をとるようになります。つまり、褒めるしつけは犬の自発的な行動にもつながります。

このようなやりとりのなかで、飼い主さんと犬との信頼関係はつくられていきます。ただし、ただ褒めればよいというわけではありません。褒めるしつけを正しく理解したうえで褒めることは大切ですが、犬自身が「褒められている」「褒められたい」と感じていなければ効果的ではありません。犬に「褒めていること」を伝えられるようになることが大切です。

愛犬を正しく褒める方法

まず、褒められていることを意識的に教えていくために、あらかじめ褒め言葉を決めておきましょう。
「いい子」「上手」「グッド」など、短く簡潔な言葉はとても有効です。愛犬のポジティブな感情と一緒に使うことで関連付けて覚えさせていきます。

さらに好ましい行動をした後に、大好きなおやつをあげたり、たっぷり遊んであげたりするとより学習します。また、褒めるタイミングも重要です。犬が正しいこと、好ましいことをしたとき、その場ですぐに褒めてあげるのがポイントです。

犬と飼い主の相関図

飼い主の7つの心得(頼れるリーダーとなるためには)

  • 悠然とふるまう
  • わがままを許さない(飼い主のペースにあわさせる)
  • 普段から猫可愛がりしない(じらす=ご褒美に飢えるという状態を作る)
  • 一貫性、徹底性を持って犬に接する
  • 根気よく、犬に根負けしない
  • 犬の本能的な要求を満たす
  • 命令を聞いてくれたら、ご褒美をあげる(褒めて伸ばす。暴力はふるわない)
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