2026年3月、三鷹市井の頭4丁目に新たな拠点が生まれました。

日本各地の手仕事やうつわを集めたセレクトショップ「イノカド。-INOKASHIRA POTTERY & LIFESTYLE-(以下、イノカド。)」。作り手の想いや暮らしを彩る品々が並ぶ場所として、地域に新しい魅力を添えています。このお店を構えるにあたり、物件の仲介を担当したのがイチイ吉祥寺店(以下、吉祥寺店)です。吉祥寺店ではテナント仲介にも注力しています。

今回は、イノカド。の店主 河野友香さんに物件との出会いから店づくりに込めた想いについてお話を伺ってきました。

空き店舗から日本の手仕事を支える場所に変身

イノカド。のテーマは「都会と地方と世界をつなげる文化の再定義」。イノカド。のコンセプトは、「地方と、都会、そして世界をゆるやかに繋げる文化の入り口(拠点)」。地方で受け継がれてきた手仕事や地域文化を、都市で紹介し、その先の世界へとつないでいくことを目指している。地方で生まれた美しいものを都会・世界へと広げるべく、河野さんが作品一つひとつの物語を丁寧に語り、その物の魅力を惜しみなく伝えている。

河野さんの前職は外資系ブランドのマーケティング。誰もが憧れる仕事でキャリアを重ねていましたが、最前線で活躍しているうちに違和感を持つようになります。それは、現代の消費を加速させる構造です。コスパが評価される一方で、国内の伝統技能や文化によって生まれた“本当に価値あるもの”が売れない社会に疑問を感じるようになっていきます。

もともと夫婦で全国各地を旅する中で、多くの作り手や作品と出会ってきた河野さん。「この器を使うだけで、日常が少し豊かになる」という体験を重ねるうちに、いつからか「素敵な作り手と作品を紹介する場を持てたら」と思うようになったそう。その想いに拍車をかけたのが、職人たちの諦めの声でした。

河野さん:日本には素晴らしい文化や手仕事がたくさんあるのに、各地を訪れる中で「もう自分の代で終わり」と話す作り手さんに数多く出会ってきました。この現状を目の当たりにして、「残りの人生で、自分に何かできることはないだろうか」と考えるようになったんです。

香川県産の高級石材・庵治石(あじいし)の粉末をガラスに混ぜ込んで焼き上げた「さぬき庵治石硝子 (Aji Glass)」。NHKでも取り上げられた注目を集める人気の工芸品だ。東京の常設店はイノカド。だけ。色は瀬戸内ブルーとオリーブの2色。
香川・高松のガラス作家 杉山利恵さんが手がける「Rie Glass Garden」の作品。人気の小鳥シリーズは誰もが心を掴まれる可愛さ。取材スタッフも一匹お持ち帰りした。

作り手と作品を世に広める場所。そのような店を構えるなら、漠然と老後と考えていましたが、思いがけずタイミングが早まったのです。理由は、何気ない会話から知った空き店舗の情報でした。

「桜の季節に開業したい」に応えるために。スピーディーに進めたテナント仲介

河野さんが手掛けるヴィンテージ帯のブランド「Musubu STUDIO(ムスブスタジオ)」。西陣織や佐賀錦のヴィンテージ帯を現代のライフスタイルに合わせて再構築したサステナブル・ラグジュアリーブランド。フランス・カンヌ国際映画祭 公式セレモニー 「Cannes GALA」にてデビューし、重厚かつ可憐な美しさでセレビリティたちの心を掴んだ。

開業のタイミングが早まったきっかけは、隣接するカフェ「DORM Inokashira(以下、DORM)」のオーナー・湊さんとの会話です。DORMのテナント仲介・管理したのも吉祥寺店です。

DIYを中心に改装した店内は商品と同じくこだわりがいっぱい。展示台となっている家具の一部は、全国から買い付けた明治や大正、昭和初期のアンティーク家具。作家や作品に合わせて選定したというのだからすごい。物に対する並々ならぬこだわりを感じる。

河野さん:この辺りは日常的に歩いているエリアだったので、この物件のことも前々から知っていました。空き店舗だと知ったのはDORMのオープン日。湊さんと話している中でここが空いていることに加え、DORMと同じオーナーさんの貸店舗だと知り、すぐに吉祥寺店に連絡してその日のうちに内見しました。

何気ない会話から物件が見つかることは、珍しくありません。実は、まだ店のコンセプトが固まりきっていない段階だったものの、内見するとすぐに「ここだ!」と感じ、出店を決意。2025年11月中旬に内見し、2026年1月末に契約、DIYを中心とした改装工事を経て、2026年3月20日にオープンしました。「オープンするなら井の頭公園が賑わう桜の季節がいい」という河野さんのご要望に応えるべく、スピード感を重視して進めたテナント仲介でした。

河野さん:内装はDIYを中心に進めながら一部業者の方に依頼する形だったため、都度オーナー様への確認や調整が必要でした。吉祥寺店のご担当者様が間に入って迅速に対応してくださったおかげで、スムーズに進行できました。限られた時間の中でも安心して進めることができ、大変助かりました。

開業の根底にあるのは「地域への恩返し」

師匠下から独立したばかりの陶芸家や近隣在住の若手作家の作品を積極的に取り扱い、デビュー機会を創出している点もイノカド。らしさであり、こだわっている点だ。

師匠下から独立したばかりの陶芸家や近隣在住の若手作家の作品を積極的に取り扱い、デビュー機会を創出している点もイノカド。らしさであり、こだわっている点だ。

河野さん:井の頭には長らく暮らしています。利便性の高い吉祥寺に隣接しながら自然豊かであること、そして、地域全体で子どもを見守る文化が根付いている点が井の頭の魅力だと思います。私自身も子育て中は地域の方々にとてもお世話になったので、この店を通して地域活性を促し、地域に恩返しをしていきたいと思っています。

今後は、商店街の皆さまと連携しながらこのエリア全体を盛り上げていく取り組みにも関わっていきたいと考えています。井の頭公園のすぐ近くというロケーションを活かし、マルシェや陶器市のような企画もいつか実現できたらと思っています。

これからの時代、不動産賃貸仲介・管理会社に求められることとは?

これからの不動産賃貸仲介・管理会社の使命は「まちづくりの一翼を担うこと」と言っても過言ではありません。あらゆる物件がその特性を存分に活かせれば周辺エリアを活気づけることができ、人流の増加・創出が可能です。イノカド。やDORMはまさにこれらを体現しており、すでに地域活性化を促す存在と言えます。

河野さんはイノカド。を「井の頭エリアにとって人と人、地域と地域をつなぐ“文化の循環拠点”のような存在にしていきたい」と語ります。吉祥寺店では、こういった熱い想いを持つテナント様はもちろん、物件を活用しきれていないオーナー様に寄り添ってサポートしてまいります。

所有している貸物件や長らく空き店舗になっている物件のお悩みやお困り事があるオーナー様、テナント仲介をご要望の方はぜひお気軽にお問い合わせください。

「プロダクトを入り口にしながら、その先にある地域や文化へと意識が広がっていく。イノカド。は、そんな“小さな文化市場(Mercado)”」と河野さんは語る。
イノカド。-INOKASHIRA POTTERY & LIFESTYLE-
  • 住所:東京都三鷹市井の頭4-14-11
    井の頭公園ボート乗り場から徒歩約4分、DORM INOKASHIRAさんの隣
  • 営業時間:11:00~18:00
  • 定休日:月曜日・火曜日
  • アクセス:京王井の頭線「井の頭公園駅」から徒歩約8分、JR・京王井の頭線「吉祥寺駅」から徒歩約13分
  • Instagram :@inocado_inokashira