業界にとって環境の大きなトピックはなんと言っても飼育頭数の減少です。ペットフード協会の調査によれば、犬の飼育頭数は減少傾向にある一方で、猫の飼育頭数は横ばいから微増の傾向にあります。なお、2017年の調査では、調査を始めて初めて犬の飼育頭数を猫が上回りました。
2021年 全国の犬・猫 推計飼育頭数
全国の推計飼育頭数は、 犬:710万6千頭、猫:894万6千頭。 単身世帯が増加し続けていることから、今回の飼育頭数推計は、単身世帯と2人以上世帯を分けて推計し、最後に合計する計算式に改定を行いました。
猫の飼育頭数は2013年以来緩やかに増加でしたが、犬の飼育頭数は減少傾向となっています。今回の調査でも、猫の飼育頭数が犬の飼育頭数を上回りました。 ※なお、猫の頭数調査結果には外猫の数は含まれておりません。
ペットの高齢化、肥満化
近年のペット飼育状況は、「室内飼育化」「小型犬化」「高齢化」「肥満化」がキーワードとなっています。ペットの高齢化が進むにつれて、飼い主のペットに対する健康管理意識が高まりつつあります。そのため、ペットフードは低価格帯商品が支持される一方で、味や栄養にこだわったフードや年齢に合わせたフードなど、単価の高い新製品が注目されるようになりました。ペット産業で最近よく聞くのが療法食という高齢ペット向けの専用商材です。
また、ペットの小型化と室内飼育率の上昇は、トイレシートなどの主に室内で使用するケア用品の需要拡大に寄与しています。ペットケア用品市場でも、匂いの残らない猫砂やペットシャンプーなどの高付加価値化が進行し、販売額が拡大しています。もともとペット用品専業ではない企業が、ペット業界に商機を見出して参入するケースも見受けられます。
ペット飼育数が減少している要因とは
一方、ペットの飼育意向を阻害している要因は何なのでしょうか?日本ペットフード協会の調査によりますとペット飼育数減少の要因として一番多い理由は賃貸住宅におけるペット可物件供給が増えない点にあるようです。ちなみに2番目の理由としては旅行等に行けなくなる。3番目の理由がペットロスです。なお潜在的な阻害要因はペット共生の希望が増加しているにも関わらず物件としてはペット可物件数が横ばいの状況が続いているのは事実です。
このような実態からも、ペット共生型賃貸住宅の建築提案を物件オーナーに行える管理会社は時代のニーズに即していると考えられます。
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[株式会社アドバンスネット ペット共生型賃貸管理業エグゼクティブアドバイザー]愛媛県出身、法大院卒(経営管理修士)。34年間の損害保険会社勤務を経て2018年「共生社会におけるペット保険の現状と将来」を慶大保険学会で発表。日本と海外におけるペット共生文化の相違、今後の展望をまとめる。その後、大手賃貸管理会社にて保証ビジネス担当。2022年よりイチイグループにてエグゼクティブアドバイザー兼ライター。ペット共生型賃貸不動産オーナーのための経営情報、シニア向けペット共生のすすめ、自治体と協調したペット防災等の情報発信中。防火防災管理士、賃貸住宅経営管理士。 なおペットはずっとマルチーズ派。