画像:シニア向け分譲マンション「ルミシア浦安舞浜」(浦安市)
自立した高齢者対象、バリアフリーの安心安全な住まい
ここ数年、元気な高齢者を対象とした「シニア向け分譲マンション」の供給が増えています。高齢者向けの賃貸でもなく、老人ホームでもない、分譲(所有権)の住まいにはどんなニーズがあるのでしょうか?
不動産情報サービスの株式会社東京カンテイが公表した調査リポートをもとにご報告します。本調査では、これまでに供給された(本年までに竣工予定の物件含む)全国の98物件・約15,000戸にわたるデータが分析されています。
「分譲」ということは、入居者は購入して所有権を持ち、売却や相続させることができます。ただし一般の分譲マンションと違うのは、ハード(建物)はバリアフリーなど高齢者が安全に住むことへの配慮がなされ、ソフト面では高齢者が望むさまざまなサービスを提供しているところです。一般的には自立して生活のできる高齢者を対象にしています。
自立した高齢者を支える「シニア向け分譲マンション」
「シニア向け分譲マンション」とは、高齢者が快適で安心して暮らせることを目的とした分譲型(購入して所有権を持つ)マンションです。このタイプのマンションには、通常の分譲マンションとは異なる特徴があります。以下にそのポイントをわかりやすく解説します。
所有権を持つ住まい | シニア向け分譲マンションは、購入すると入居者がその住戸の所有権を持ちます。そのため、将来的に売却したり、相続させることが可能です。賃貸や老人ホームとは異なり、資産としての価値を持つ点が特徴です。 |
安全性を重視した「ハード」の工夫 | 建物自体には、高齢者が安全に生活できるような工夫が施されています。例えば、以下のようなバリアフリー設計が一般的です。 ・段差のない床 ・広めの廊下やドア ・手すりや滑りにくい素材を使用した設備 これにより、高齢者の方が日常生活を安心して送れる環境が整っています。 |
充実した「ソフト」サービス | シニア向け分譲マンションでは、住まいだけでなく、生活を支えるサービスも充実しています。一般的なサービス内容には次のようなものがあります。 ・日常生活のサポート ・24時間の緊急対応 ・健康相談や介護予防プログラム ・趣味や交流のためのイベントの提供 こうしたサービスにより、高齢者が自立した生活を維持しながらも、必要に応じてサポートを受けられる環境が整っています。 |
自立した生活を希望する高齢者が対象 | シニア向け分譲マンションは、基本的に自立して生活できる高齢者を対象としています。日常生活は自分でこなしながらも、必要な時にサービスを利用するという形です。 |
シニア向け分譲マンションに向いた方
「シニア向け分譲マンション」に向いた方は、大きく下記のような方です。
- 老後の住まいを安心・快適にしたい方
- 自分の資産として所有できる住まいを探している方
- 自立した生活を送りつつ、必要なサポートを受けたい方
- 老後に安全な環境で安心して暮らしたい方
「シニア向け分譲マンション」は、老後の生活を充実させたいと考える方にとって、安心できる住まいの選択肢の一つです。
温暖な温泉地から都市部へ!シニア向け分譲マンションの供給エリア
では、「シニア向け分譲マンション」はどんなエリアに供給されているのでしょうか。かつては静岡県の熱海市・伊豆市などの温暖で過ごしやすく、自然豊かで温泉のある地域での供給が多数でした。
- 自然環境が豊かでリラックスできる。
- 温泉などの施設が充実している。
- 温暖な気候で体にやさしい環境。
近年になると、供給エリアは大きく変化しています。現在では、東京、神奈川、千葉、大阪、兵庫といった都市圏での供給が目立つようになっています。
- 交通アクセスが良く、病院やショッピング施設が近い。
- 子どもや孫など家族が近くに住むケースが多い。
- シニア層の中には、趣味や社会活動を楽しむための都市生活。
どのエリアを選ぶべき? あなたに合った住まいの選び方
シニア向け分譲マンションを選ぶ際には、自分のライフスタイルや将来の生活ニーズに合わせてエリアを検討することが大切です。以下のポイントを参考にしてみてください。
自然豊かで静かな生活を送りたい方
- おすすめエリア 静岡県の熱海市や伊豆市などは、緑豊かな自然と広々とした空間に囲まれた魅力的な地域です。このエリアでは温泉を楽しめる場所が多く、日々の生活にリラックスをもたらします。また、穏やかな気候が特徴なので、ゆったりとした生活を求める方。
- こんな方におすすめ 落ち着いた雰囲気の中で静かに暮らしたい方にとって、趣味にじっくり時間を使える環境は理想的です。ガーデニングで自然と触れ合ったり、温泉巡りを楽しんだりと自分のペースで充実した日々が送れます。
利便性を重視したい方
- おすすめエリア 東京、神奈川、大阪、兵庫などの都市部の魅力は利便性の高さです。駅やバス停が近く、交通アクセスが便利で移動がしやすい環境が整っています。また、病院やスーパー、ショッピングモールなどの生活に必要な施設が充実し、快適で便利な生活が送れます。
- こんな方におすすめ 何かあったときにすぐサポートが得られる環境を求める方にとって、安心感のある生活は大切です。また、アクティブに外出したり、趣味や社会活動を楽しみたい方は、利便性の高さがポイントです。
シニア向け分譲マンション、価格上昇の背景とは?
続いて、気になる販売価格について見てみましょう。2020年以降の全国の供給物件では、専有面積が平均約60㎡、販売価格は平均4386万円です。関東地方に限定しても、専有面積が約59㎡、価格は4245万円なので、全国平均とさほど変わりません。
そもそも2000年以降は、価格は3千万円台で落ち着いていたのですが、2020年以降になると坪単価が約240万円に上がるなど、近年は上昇傾向にあります(いずれも平均値)。
次回はシニア向け分譲マンションのサービスの内容と付帯施設などについて見てみます。
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