若き学生時代に急遽海外放浪の旅に踏み出し、その経験から外国人賃貸業界に深い興味を抱くようになったのが、イチイ社長・荻野氏です。このコラムでは、そんな荻野の体験をコラム形式でお届けします。

※本コラムは『異文化共生住宅』をテーマにイチイ社長 荻野が2005年1月から2006年3月まで週刊住宅に寄稿したものです。

海外では普及している「ホームスティ」だが、日本では普及しないのか?

多くの日本人が語学留学の方法として「ホームスティ」を利用している。家族の一員として現地の家族と生活を共にすることで“ナマの生活体験”ができ、しかも語学力が自然と身につくという滞在方法である。留学生にとってこれほど良い方法と環境はないと思う。私も学生時代にこの方法でアメリカ、イギリスでの生活を有意義なものにさせていただいた1人である。

ところで、日本に留学している学生でホームスティをしている学生はどのくらいいるのだろうか。“交換留学制度”や“知人宅”のホームスティの話は聞くが、それ以外ではほとんど聞いたことがない。大学や市区町村などでもホストファミリー紹介制度を設けているところはあるが、機能しているところは少ない。

あるとき、中国人と韓国人の留学生に「友達でホームスティをしている人はいる?」とたずねてみた。返事は「アメリカやヨーロッパに留学している友達でホームスティしている人は多いが、日本でしている人はしらない」というのが大半であった。

3年ほど前、日本語学校で生徒(30人程度)に対して「日本での居住形態について」のアンケート調査をおこなった。その中でホームスティについてたずねてみた(有効回答23:韓国人13、中国人10)。「ホームスティを望むか」の質問に対し「Yes」と回答した者が10名、「No」が7名、「なんともいえない」が6名であった。また、「ホームスティすることに抵抗があるか」との質問に「抵抗あり」と回答したのはたったの1名だった。この結果から多くの留学生(就学生含む)、特に韓国人学生が日本人の家庭でのホームスティを望んでいることが分った。

その理由として、前述のとおり“ナマの生活体験”ができ、しかも日本語が自然と身につくことを挙げているが、それ以外に彼らの現況の住まい事情が大きく影響しているように思える。回答者のうち「1人住まい」が13名、残りの17名は「友達などとの同居」である。現在の住まいに対して不満を抱いている者は多く、その理由として「1人住まいの者」は家賃が高いことを挙げ、「同居住まいの者」は部屋の狭さ、プライバシーが確保できないことを挙げている。

つい20~30年ほど前まで、主に学生を対象にする間貸しスタイルの下宿屋が日本にはあったが、時代の流れとともになくなっていった。それは団塊の世代が学生時代にお世話になったアパートである。どうだろう、今度は団塊の世代が自宅の空き部屋を留学生に日本式ホームスティ先として提供してみては・・・

The prevalence of homestay usage among Japanese students: A comparison with experiences abroad

Homestays, widely popular abroad, are a method many Japanese people use for language study abroad, living with a local family as part of the household for a “real-life living experience” that naturally improves language skills. I, too, benefited from this during my time in the United States and the United Kingdom, making my stay there meaningful. However, how common is it for students studying in Japan to participate in homestays? While exchange programs and staying with acquaintances are known, other instances seem rare. Few institutions, like universities or local governments, successfully operate host family introduction systems.

I once asked Chinese and Korean students if they knew anyone doing a homestay in Japan. The majority were aware of friends homestaying in America or Europe but not in Japan. About three years ago, I surveyed about 30 students at a Japanese language school on their living situations in Japan, including homestays (with 23 valid responses: 13 Korean, 10 Chinese). To the question of whether they desired to do a homestay, 10 said “Yes,” 7 said “No,” and 6 were undecided. Only one expressed resistance to the idea. This indicates a significant interest in homestays among students, especially Koreans, seeking the “real-life living experience” and natural language acquisition it offers. Their current living situations heavily influence this desire, with 13 living alone and the remaining 17 sharing accommodations. Dissatisfaction with current living arrangements was common, citing high rent for those living alone and lack of space and privacy for those sharing.

Twenty to thirty years ago, Japan had boarding houses catering mainly to students, but these have disappeared over time. Perhaps it’s time for the baby boomer generation, who benefited from such arrangements during their student days, to offer their spare rooms for homestays to international students.

虽然海外的“寄宿家庭”非常普及,但为什么在日本却不普及呢?

许多日本人选择使用“寄宿家庭”作为语言留学的方式。作为家庭的一员,与当地家庭共同生活,可以获得“真实的生活体验”,而且语言能力也会自然而然地提高。对于留学生来说,这应该是最好的方式和环境了。我在学生时代也是利用这种方式,在美国、英国的生活变得更有意义。

那么,有多少在日本留学的学生是通寄宿家庭的方式住宿的呢?然听说过留学认识的人家寄宿的情况,但除此之外几乎没有听说过然大学或市区村等有立宿主家庭介制度,但真正发挥作用的地方很少。

有一次,我问了中国和韩国的留学生,“你们有朋友在日本寄宿家庭吗?”大多数人的回答是:“在美国或欧洲留学的朋友中,寄宿家庭的人很多,但在日本的就不知道了。”

大约3年前,我对日本语学校的学生(大约30人)进行了“在日本的居住形式”的问卷调查。其中问到了关于寄宿家庭的问题(有效回答23个:韩国人13个,中国人10个)。对“是否希望寄宿家庭”的问题,有10人回答“是”,7人回答“否”,6人回答“不好说”。另外,对“对于寄宿家庭有抵触感吗”的问题,只有1个人回答“有”。从这个结果可以看出,许多留学生(包括就读生),特别是韩国学生,希望在日本人的家庭中寄宿。

他们提到的理由,正如前述,“可以获得真实的生活体验”,而且日语也能自然而然地提高,但他们当前的居住状况也似乎对此产生了很大的影响。回答者中“一个人住”的有13人,其余17人是“与朋友等合租”。对当前住所不满意的人很多,其中“一个人住”的人抱怨租金高,“合租住”的人抱怨房间狭小、无法保证隐私。

大约20至30年前,日本有主要针对学生的分租式宿舍,但随着时代的变迁,这种宿舍已经消失。那些在学生时代得到照顾的团块一代的公寓就是一个例子。怎么样,现在是不是团块一代可以考虑使用自己家里的空房间,为留学生提供日式的寄宿家庭呢……

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