ペットも家族の大切な一員です。もちろん人の暖房器具以外に特別なものは有りませんが、それぞれ機械ごと、ペットの種類ごとに使い方には注意が必要です。本記事では、ペットの健康を守りながら安全に暖房を使用するポイントをご紹介します。

暖房器具の種類とペットへの注意点

暖房器具は種類ごとに特徴があり、ペットに適した使い方を心がける必要があります。

ペットが快適な暖房器具の使い方

寒いからと暖房器具をそのまま使うと健康を害したり、思わぬ事故につながることもあります。例えば、エアコンは空気を乾燥させるため、ペットの肌や呼吸器に負担をかける可能性があります。

エアコン空気を乾燥させやすいので、加湿器を併用して湿度40~60%を保ちましょう。温風がペットに直接当たらないように風向きを調整します。
床暖房ペットにとって安全で快適ですが、長時間使用すると低温やけどのリスクがあります。適切な温度設定(28℃以下)を推奨します。
ヒーター・ストーブ直接触れると火傷の危険があるため、ガードや柵で覆うことをおすすめします。安定した設置を心がけましょう。
電気カーペット・ホットカーペット長時間使用すると低温やけどの原因になるため、部分的に使用可能なものや温度調節機能があるものを選びましょう。

ペットが暖房器具で火傷しないための安全対策

冬の寒さが厳しくなると、暖房器具は欠かせません。しかし、愛犬や愛猫にとって火傷や低温やけどのリスクがあることをご存じですか?ペットの安全を守るために知っておきたい暖房対策を解説します。

火傷の危険暖房器具(ヒーターや電気ストーブなど)に猫や犬が近づきすぎないように注意しましょう。床暖房も温度設定に注意しないと、ワンちゃんが低温やけどになる危険性があります。
ケーブルやコードの管理猫の爪や歯、犬の足などに引っかからないように整理しましょう。
暖房器具の配置犬や猫の寝床から遠くない場所に配置し、暖かさが均等に行き渡るようにします。火傷を防ぐため、暖房の近くに寝かせすぎないよう注意しましょう。
ペット用暖房器具使用する場合は、適切な温度設定を確認しましょう。

室温・湿度の管理

犬や猫の体調管理には、室温や湿度が大きく関わります。適切な環境づくりで快適な暮らしを実現するために、温度設定の目安や注意点を押さえておきましょう。

適切な温度設定温度は極端に高温にしないようにしましょう。犬と猫では適温や湿度に差があります。犬の場合は室温18℃~22℃、湿度40~60%が適切とされています。一方、猫にとっては室温は20~28℃、湿度は40~60%と温度に差があります。

なお特に高齢や病気のある犬・猫、さらに寒がりな犬や毛の薄い犬や猫*¹は、過剰に温かい場所にいると返って体調が崩れる可能性がありますので、無理に暖房で温めすぎないようにしましょう。

ペットの特徴(毛の種類)

犬や猫は種類によって毛の長さや生え方に違いがあり、すべて同じ特徴ではありません。種類ごとに異なる毛の特徴を持つためそれに応じた対応が必要です。

参考:ペットライン株式会社 Petline

犬・猫の毛の長さと生え方

下の表は猫、犬それぞれの種類を毛の長さやその生え方にて種別した表ですので参考にして下さい。

猫の場合

長毛種・ペルシャ
・メインクーン
・ラグドール
毛が長く、定期的なブラッシングが必要。
短毛種・アメリカンショートヘア
・ブリティッシュショートヘア
・ロシアンブルー
毛が短く、手入れが比較的簡単。

ダブルコート
・シベリアン
・ノルウェージャンフォレストキャット
アンダーコートとオーバーコートの二重構造の被毛を持っている。寒さに強い。
シングルコート・コーニッシュレックス
・ボンレックス
アンダーコートがなく、オーバーコートのみの被毛を持つ。

犬の場合


長毛種
・シベリアンハスキー
・シーズ
・アフガンハウンド
・マルチーズ
長毛犬は毛が絡まりやすく、毛玉ができやすい。毎日ブラッシングが必要で換毛期には念入りに行う。定期的なシャンプーとプロフェッショナルなグルーミングが必要。月に一度のシャンプーが一般的。寒さに弱いため、夏場は涼しい場所での管理が必要。エアコンや冷感マットの使用が効果的。
短毛種・ジャックラッセルテリア
・ダルメシアン
・ビーグル
・ボクサー
短毛犬もブラッシングが必要。週に一度のブラッシングで十分。短毛犬は毛が短く汚れやすいので、月に一度のシャンプーがおすすめ。冬は防寒対策が必要で、洋服や暖かい寝床の準備も必要。
ダブルコート・シベリアンハスキー
・ゴールデンレトリバー
・シェットランドシープドッグ
・秋田犬
ダブルコートの犬は2層の被毛を持つ。外側のガードヘアと内側のアンダーコート。アンダーコートは密で柔らかく、ガードヘアは長くて粗い。寒さや水から犬を保護する。
シングルコート・グレイハウンド
・プードル
・ダックスフント
・ヨークシャテリア
・マルチーズ
一層の被毛しか持たない。一般的にはガードヘアだけで、アンダーコートがない。シングルコートの犬はダブルコートの犬よりも脱毛が少なく、手入れも比較的楽。