【1分小話】つぶやく「イチイのトラブル請負人」
「入居者トラブルとっておき対処法」大家さん応援物語をコラムでお送りします。
空き巣が入った!修理費は誰が払う?
大家さん
「参ったよ・・・。103号室で空き巣被害だ。玄関ドアと鍵を壊して侵入されたらしい。入居者がすぐ業者を呼んで修理したそうで、その費用を請求してきた。緊急なのは分かるが、事前にひと言ほしかったなぁ。」
請負人
「お気持ちは分かります。しかし今回のケースでは、原則としてオーナー様のご負担になります。」
民法第608条第1項 [必要費の償還請求権]
賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる(参照:民法第608条第1項)
なぜ大家負担になるのか?
ポイントは 民法第608条第1項(必要費の償還請求権) です。
賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し直ちにその償還を請求することができる。
空き巣被害による
・玄関ドアの破損
・鍵の交換
は、建物の安全性を確保するための「保存行為」に該当します。これは通常の小修繕とは異なり、貸主負担の必要費と考えられます。
小修繕との違い
よく誤解されるのがこの点です。
入居者(借主)負担になりやすいもの
| 電球交換 | 「消耗品の交換」にあたり、通常は借主の負担 |
| パッキン交換 | 蛇口のパッキンなどの軽微な修繕は、民法第608条の「保存行為」の範囲内として借主負担とされるのが一般的 |
| 軽微な消耗品 | 網戸の張り替えや、時計の電池などもここに含まれる |
オーナー(貸主)負担になるもの
| 建物本体の破損修理 | 「屋根、外壁、構造躯体などは貸主の修繕義務 |
| 設備の経年劣化修繕 | エアコン、給湯器、備え付けの冷蔵庫などが普通に使っていて壊れた場合は貸主負担 |
| 第三者による破壊行為 | 入居者に「善管注意義務違反(鍵をかけ忘れた等)」がない限り、第三者による損害(窓ガラスを割られた等)は貸主が修繕する義務を負う |
知っておくべき「民法改正」のポイント
2020年4月の民法改正により、以下の点が明文化されました。
| 借主の修繕権(民法607条の2) | 「修繕が必要であることを通知したのに、貸主が相当の期間内に修繕しないとき」や「急迫の事情があるとき」は、借主が自ら修繕し、その費用を貸主に請求できる |
| 通常損耗・経年劣化の修繕義務(民法621条) | 退去時の原状回復において、普通に住んでいて古くなった分(経年劣化)については、借主は修繕費用を払う必要がないことが法律に明記 |
オーナーが取るべき実務対応
- 警察への届け出確認
- 修理内容・金額の妥当性確認
- 保険の適用確認
- 再発防止策の検討(防犯カメラ・鍵交換等)
感情的にならず、「法的整理」で判断することが重要です。
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