【1分小話】つぶやく「イチイのトラブル請負人」
「入居者トラブルとっておき対処法」大家さん応援物語をコラムでお送りします。

設備の修繕義務

ある日、大家さんが困っていました。理由を聞くと、ある一室で換気扇が故障していと後で分かったことが不満のようでした。

大家さん「入居者が退去した後で、台所の換気扇が使えなくなっていたことが分かった。入居者に『修理代の一部を負担してほしい』と電話をしたら、『あんなに古いのに』と納得してもらえませんでした。まぁ、換気扇は設置して20年以上経つけどね・・・」

請負人「うーん、入居者に負担してもらうのは無理があるのではないですか。
まず基本的な考え方ですが、換気扇のような物件に付帯した設備は、オーナー様に修繕義務があります。もっとも、使い方などで入居者に故意や過失等があれば、一定の費用は入居者が負担することになります。」

国土交通省の「原状回復ガイドライン」では

請負人「しかしオーナー様、今回の重要な点は設置から20年以上も経過していることです。
換気扇の耐用年数は15年と言われますから、故意は別として、換気扇の少し残された価値部分に(入居者の)過失は認められにくいと思います」

国交省の「原状回復ガイドライン」によると、入居者に過失があって修繕する場合で、使用年数が8年を超えた設備は入居者の費用負担割合が10%になる、としています。

出典:国土交通省「現状回復ガイドライン」

大家さん「そうか、それは知りませんでした。でも、このままでは換気扇が使えないままになってしまうし、新しいのを取り付けるにもお金がかかるんだよね。どうしたらいいか分からないよ。」

請負人「そうですね。ただし、オーナー様が修繕費用を負担する義務がある場合でも、入居者に請求できる範囲には限りがあります。例えば、耐用年数を超えた部分や改善工事にかかる費用は、オーナー様の負担となります。」

大家さん「なるほど、でも換気扇は確かに古いし、新しいのを付け替えるのも考えものだな。」

請負人「そうですね。一度、専門の業者に相談してみることをお勧めします。現状の換気扇が修理可能かどうか、また新しいものに交換する場合の見積もりを取ってみてはいかがでしょうか。そして、その情報をもとに、入居者に対しても納得しやすい解決策を模索すると良いでしょう。」

大家さん「なるほど、そうしてみるよ。ありがとう。」

請負人「どういたしまして。何か他にも質問があれば、いつでも聞いてくださいね。」

〈つづく〉