ペット共生型マンションでは、ペットの習性や生態に配慮した住環境を提供しており、ドッグランやトリミングルームなどの専用施設が設けられている物件もあります。これにより、ペットとともに快適な暮らしを追求できます。
特に特徴的なのは、ドッグランやトリミングスペースの設置に加え、ペット用の防災備蓄庫が整備されている点です。(参考資料:ペット共生型マンション「リリファ相武台」/ 神奈川県座間市 他)
また、マンション内に共用のトリミングルームがあると、ペットのケアがしやすくなるため、非常に便利で重要な設備といえます。
ペットの「トリミングルーム」の必要性
ペット共生型マンションの注目設備のひとつ「共用ペットトリミングルーム」は、ペット飼育者にとって便利なだけでなく、マンション全体の住み心地を高める大きなメリットがあります。ここでは、トリミングルームがなぜ必要なのか、どのような利便性を提供するのかをご紹介します。
- ペットの毛や爪のお手入れは、健康を保つために欠かせません。「共用トリミングルーム」は、ペットの清潔さを保ち、周囲の住民に毛や臭いで迷惑をかける心配も減らせます。
- ペットのトリミングは、家庭で行うと騒音や臭いが発生することがあります。共用トリミングルームを利用すれば、他の住民に迷惑をかけずにトリミング作業を行えます。
- 共用トリミングルームは、他のペット飼育者と交流する場でもあります。ペットの話題やトリミングのコツを共有できるため、ペットコミュニティの一環として活用できます。
多くのトリミングルームには、以下のような用具が備え付けられています。
- ドッグバス(トリミングシンク)
- トリミングテーブル
- ドライヤー
- ダストボックス
これらの設備を共用することで用具をそろえる手間やコストを省くことができます。
近年、多くのリノベーション業者が、既存のマンションにペット共生型トリミングルームを導入しています。トリミングルームには、トリミングテーブル・ドッグバス(トリミングシンク)・ダストボックスやドライヤー等が完備し、予約制で住民が利用する事が出来ます。
トリミングルーム(スペース)の設備と備品
ペット共生型マンションに住民共用のトリミングスペースを設置する際には、以下の設備等の整備に加えて、いくつかの重要な注意点があります。
トリミングスペースは犬や猫が騒音を立てたり、匂いを発生させる場所であるため、周囲の住民に影響を及ぼさないように設計することが重要です。十分な音響調査を行い、適切な断熱材や消臭装置を導入することを検討しましょう。(防音防臭壁材・防臭)
トリミングスペースは常に清潔で衛生的である必要があります。床材、壁材、家具、トリミング用具などを容易に清掃できる素材で構成し、頻繁な清掃と消毒を行う必要があります。
ペットが安全に利用できるように、適切な安全対策を講じることが大切です。例えば、滑り止め床材、安全なトリミングテーブル、救急用具の準備などが考慮されます。
トリミングスペースの利用に関する明確なルールと規制を作成し住民に周知させましょう。これには清掃の責任、騒音の制限、トリミング後の毛の処理方法などが含まれます。
住民からのフィードバックを受け入れ、トリミングスペースの改善を継続的に検討しましょう。利用者の要望や安全性に関する提案を取り入れることで、満足度を高めることができます。
トリミングルーム(スペース)で主に必要な設備と備品は下記の通りです。
- トリミングテーブル
- トリミングセット
- トリミングドライヤー・スタンド
- ペット用防臭脱臭機
- ペット用臭い漏れ脱臭ダイストボックス
ペット共生マンション「リリファ相武台」の例
株式会社リビングライフ(東京都世田谷区等々力5-4-15)の運営する「リリファ」は、大手企業が所有していた社宅などを譲り受け、建物一棟を丸ごと改修して、新たに分譲販売するリノベーションマンションです。
良い部分を残し、劣化した箇所を改修した後に不要な部分を取り壊して更地にします。その上で新築マンションを建てるよりも、コストを大幅に抑えることが可能です。さらに、リノベーションと同時に人気のペット共生型マンションへと生まれ変わらせることもできます。
「リリファ」のペット共生化型マンションは、共用部分をペットのために利用しています。ドッグラン、トリミングルーム、足洗い場等に充てて各種設備も共用で備えて健康で楽しい生活がおくれるようにしております。
ペット臭を除去する手っ取り早い方法として、ペット用の消臭剤を活用があります。スプレー等さまざまな種類がありペットの独特の匂いを消しますが長期にわたる建物への付着には効果が限られてきます。消臭効果のある壁紙に交換するなどの方法もあります。
オーナーへのメリット
ペット共生型マンションに共用トリミングルームを設けることは、オーナーにとってもメリットがあります。ペット飼育者の入居希望が増えることで入居率の向上が期待でき、資産価値の維持・向上にもつながります。
ペットと快適に暮らせる住まいづくりは、今後ますます注目される分野です。共用トリミングルームの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
空室対策・空き家活用 +Lifeちえいず
株式会社イチイ 電話:03-5990-5091(代)
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[株式会社アドバンスネット ペット共生型賃貸管理業エグゼクティブアドバイザー]愛媛県出身、法大院卒(経営管理修士)。34年間の損害保険会社勤務を経て2018年「共生社会におけるペット保険の現状と将来」を慶大保険学会で発表。日本と海外におけるペット共生文化の相違、今後の展望をまとめる。その後、大手賃貸管理会社にて保証ビジネス担当。2022年よりイチイグループにてエグゼクティブアドバイザー兼ライター。ペット共生型賃貸不動産オーナーのための経営情報、シニア向けペット共生のすすめ、自治体と協調したペット防災等の情報発信中。防火防災管理士、賃貸住宅経営管理士。 なおペットはずっとマルチーズ派。