(前回よりつづく)
第9話 面会等を制限しない高齢者向け賃貸住宅へ住替え進む

自分らしい老後の暮らし方が選択できる時代

私たちはご相談者からこんな声をお聞きすることが少なくありません。

介護が必要になったら、老人ホームに入らなければならないですね

いえいえ、そんなことはございません。

ひと昔前と違い、今はさまざまな住まいや施設がありますから、ご自身に合った住み替え先を選ぶことができるのです。

「自分らしい老後の暮らし方が選択できる時代」であり、本当にいい環境が整ってきたと思います。
それでは、ご相談者の具体的な事例を紹介しましょう。

都内在住87歳の女性の場合

都内の戸建てにひとりで暮らす女性のMさん(87歳)から、このようなご相談がありました。

要介護3の認定を受けてから、不安な毎日を送っています。 広すぎる家や庭などの管理はひとりでできませんし、外出するときは手押し車がないと歩けなくなりました。 道路のちょっとした段差もまたぐのが怖いですね。 できるだけ近くで、安心して暮らせる住まいはありませんか

イチイ「都内には今、介護サービスの充実した高齢者向けの施設が数多く供給されていますので、心配なさらないでください。まずは介護付有料老人ホームをご一緒に見学してみましょうか。自宅よりも安心・安全に過ごすことができますから」

介護付き有料老人ホームとは

介護付き有料老人ホームは、24時間介護スタッフが常駐し、身の回りの世話や食事、入浴、排せつなどの介助サービスを提供する施設です。
これらの施設は民間企業が運営しており、都道府県からの指定(認可)を受けた設備、人員、運営基準を満たしています。入居費用は施設によって異なり、高級な施設から低価格な施設まで様々です。
入居要件も施設によって異なりますが、介護度が軽い方から重い方、寝たきりの方や認知症の症状がある方など、多様なニーズに対応しています。
また、多くの施設が看取りまでのケアを提供しており、終の棲家として選ばれることがあります。

ところが、介護付有料老人ホームの見学を終えると、Mさんはとてもガッカリした表情でした。何が不満だったのでしょうか。

<つづく>