「要介護で一人暮しは難しい」と主治医に告げられ
(前回よりつづく)
老後の住まいとして、「自立型の高齢者向け賃貸住宅」というカテゴリーがあることは、まだまだ知られていません。老後の住み替え先といえば、多くの方が老人ホームしか頭に浮かばないのが実情です。
“自立型の賃貸”という選択肢があることをもっと広く知っていただければ、幸せなセカンドライフを手に入れる方々が増えていくと考えています。
Nさん(83歳女性)の事例
横浜市内の戸建てで一人暮らしだったNさんは自宅で転倒して骨折し、入院を余儀なくされました。
幸いにもリハビリは順調で、3ヵ月後に退院できることになったのですが、主治医からこう告げられたといいます。
「要介護認定を受けた結果、判定は要介護3でした。このまま自宅に戻って一人で暮らすのは難しいですね」
そこで、Nさんは自宅をあきらめ、介護付有料老人ホームに入居することにしました。
入居後は身体能力の快復も早く、ほどなくして最も軽い介護度の要支援1にまで改善したそうです。
そうなると次第に気になってきたのが、介護施設で一緒に生活している入居者の皆さんの様子でした。
介護度の重い人が多いことから、認知症の男性が館内を徘徊していたり、食堂でも隣りは介助を受けながら食事する女性だったり。
やがてNさんは、少々気を病んでしまったそうです。
<つづく>