当面の対策は入居者に長く住んでいただくこと!

大手の住宅設備機器・建材メーカーが今秋、相次いで値上げに踏み切りました。
最大手のLIXIL(以下、リクシル)は今年4月に続いて2度目の価格改定を行い、TOTOも今年初となる値上げを10月1日から実施しています。

そうなると、原状回復工事やリフォームの値上げも避けられないとの声が広がってきました。
価格高騰の現状についてリポートいたします。

リクシルは春に続き再値上げ

リクシルはこの10月、水回り住設の価格を改定しました。
トイレは2〜14%、ユニットバスが5〜24%、キッチンが5〜10%、洗面化粧台が1〜12%とそれぞれアップしています。

同社は4月に住宅用サッシやトイレ、キッチンなど14商品を値上げしたばかり。
今回は11商品ですが、2度目の価格改定となるものも少なくありません。

この背景にあるのは物流コストや原価そのものが上昇していることです。
同社の説明によると、「コロナ禍でサプライチェーンが寸断された。海外のロックダウンにより、国内の工場でつくらなければならなくなった影響が大きい」としています。

コロナの感染拡大に端を発した木材や原油価格の高騰に、流通の停滞といった要因も重なり、原材料価格の上昇局面は終わりが見えない状況です。
混迷するウクライナ情勢も多大な影響を及ぼしています。

リフォーム費用抑える工夫を

このような事態を受けて、住宅リフォーム業界では今後10~20%の値上げは避けられないのではないか、との声が出てきました。
そして、メーカーからの納品が遅れることで、リフォームの工期も今まで通りにはできないとの見通しも示されています。

そうした状況下であっても、不動産オーナーや管理会社は入居者が退去すれば、原状回復やリフォームの工事を行わないわけにはいきません。

そのため、これまで以上に入居者に長く住んでいただける(退去を防ぐ)対策や、リフォーム費用を抑えていく工夫などが必要になってくるでしょう。