2020年6月に成立した「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」をコラム形式で解説していきます。
賃貸住宅管理業法でサブリースを規制し、オーナーの破たん防ぐ
先月の国会で可決・成立した「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」。
さっそく社内で研修を始めました。
〈登場人物〉
講師:お客様相談 太田室長(賃貸不動産経営管理士、宅地建物取引士、相続支援コンサルタント等で業歴25年)
研修生:若手のホープ 田中君(入社3年目)
田中君「賃貸住宅管理業の法律が初めてできたと聞いて、逆にこれまで何もなかったことに驚きました。どうして今になって、法律ができたのですか?」
太田室長「田中君!2年前に世間を騒がせた“かぼちゃの馬車事件”のことは覚えているかな。
今回法律(業を規制する業法)ができたのは、こうした事件の再発防止が目的の一つなんだ」
田中君「はい、よく覚えています!サブリース会社の経営破たんによって、多くのオーナーさんが破産したり、自殺者まで出てしまう事件でした」
かぼちゃの馬車事件とは
太田室長「そう、女性用シェアハウス(ブランド名・かぼちゃの馬車)を販売・管理していたスマートデイズ社のことだが、まったくズサンなサブリース事業をやっていたね。30年間一括管理、一定期間の家賃保証をうたって、『あなたも不動産オーナーになれます』とサラリーマンなどを勧誘していたんだ。賃貸経営のリスクをきちんと説明せずに契約を結ばせた結果、800名以上のオーナーさんの賃貸事業が行き詰まったと言われているね」
田中君「賃貸住宅管理適正化法がサブリース事業を強く規制しているのは、そのためなんですね」
太田室長「では、法律の全体像を見ていくことにしよう」
<つづく>
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