(前回よりつづく)
【賃貸住宅管理業法】業者の財産と預り家賃等の分別求める

2020年6月に成立した「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」をコラム形式で解説していきます。

オーナーが条件を話したり紹介料を受取る場合、契約リスクの説明が必須

講師の太田「田中君、サブリース規制の具体例を示した「サブリース事業適正化ガイドライン」が今月16日、国交省から公表されたね。サブリース業者と共に規制対象(罰則等の対象)になった「勧誘者」(業者と組んで勧誘を行う者)は、ガイドラインではどう書かれているのかな?」

研修生の田中君「はい。ガイドラインによると、勧誘者とは『賃貸住宅の建設や土地等の売買のときにマスターリース契約を勧める建設業者や不動産業者が該当し、サブリース業者から勧誘の依頼を受けた賃貸住宅オーナーも該当する』と書かれています。でも、個人のオーナーさんまで規制するというのは、僕は理解できません」

太田「ガイドラインでは、オーナーが勧誘者に該当するのは具体的にこういう場合だとしているね」

オーナーが紹介料等を受け取り、特定のサブリース業者とマスターリース契約を結ぶよう勧めたり、契約の内容や条件等を説明したりする場合。

田中君「オーナーさんが相手のためにと、本当にいいと思って特定の業者を勧めることも、ダメなんですか?」

太田「その答えも書いてある。ガイドラインは『一方では、契約の内容や条件等に触れずに、単に業者を紹介する者は勧誘者に該当しない』としている。このあたりが、勧誘者(罰則等の対象)になるか否かの線引きなんだろうね」

田中君「ところで、相続税対策や土地活用などのセミナーでは、講師の税理士やコンサルタント等が契約リスクなど説明しないで、特定のサブリース業者を勧めるのを見かけますけど、これは違法じゃないんですか?」

〈つづく〉