大切な家族、ペットのために知っておきたい予防医療の基本

ペットは家族の一員として大切に育てられていますが、その健康管理も飼い主の重要な役割の一つです。ペットの健康寿命を延ばすためには、予防医療が欠かせません。

私たちが推奨する予防医療の施策には、日常的に飼い主が行うウェルネスチェックと、動物病院で受ける健康診断の2つがあります。ペットと暮らし始めたその日から、年に2回以上のウェルネスチェックと健康診断を心がけ、愛するペットの健康寿命を一緒に延ばしましょう。

ペット医療(健康時)

大切な家族、ペットの健康寿命をのばすにはどうしたらいいのだろうか。私たちが推奨している予防医療の施策はふたつ。飼い主の方々が日常的にセルフチェックできるウェルネスチェックと、健康診断です。

ウェルネスチェック

ウェルネスチェックは、全部で14項目あります。飼い主の方が、ペットを観察し、触って、チェックしてもらうものです。

・元気がない

・食事量や飲水量に変化がある

・排泄物の色や臭い、量、固さや排泄の回数などに変化がある

などです。このひとつだけでもチェックがついたら、かかりつけの動物病院へチェックシートとなるものを持って行ってください。ペットと暮らし始めたその時から、年に二回以上のチェックをおすすめしています。

ペットの健康診断

次に健康診断です。診断項目には問診、視診、触診、聴診、血液検査、尿検査、便検査、レントゲンなど多岐にわたります。ペットと暮らしはじめたときから年に一回、7歳を過ぎたら年に二回、可能ならば年四回動物病院でぜひ健康診断を受診してください。個体ごとに異なるペットの健康な時の数値や状態がわかっていれば、変化がわかりやすく、病気の診断がつきやすくなります。

健康診断後に病気が見つかった場合は早速治療を開始します。まだ病気ではないけれど、気になることが見つかった場合は、飼い主に、今後注意してほしいことを獣医師からお伝えします。食事や運動などの生活習慣を変えることで、健康寿命を延ばすことができるのです。健康診断には費用がかかりますが、重症になってからの治療費に比べれば安く、また治療によるペットの身体への負担も少なくなります。そして、飼い主には後悔がありません。7歳までは年に一回、7歳を過ぎたら年に二回の健康診断が推奨されています。

ここまで考えられた健康診断ですが、まだまだ受診する飼い主が少ないのが実態です。どうしたら、健康診断の受診率があがるか獣医師会中心に下記のような取り組みが始められております。

全国の動物病院で、 10月を健康診断キャンペーン月間として、健康診断の呼びかけを行っています。近隣のペットショップやトリミングサロンなどにも協力いただき、多くの方に、ペットにも健康診断がある、ということを知っていただけるようになってます。

ペットの健康診断が時間の都合で受診できない場合】

時間がないから健康診断を受診できない飼い主の方には、ワクチンやフィラリア予防に動物病院を訪ねる際にいくつかの項目を受診して、一年を通して全部の項目を受診する、という方法もあります。
また、動物病院によっては、一日中預かって健康診断をしてくれる病院もあるようです。

動物病院は、動物が大好きな獣医師のいるところです。しつけや、食事、しぐさなど、何でも気になることは相談に行くべきです。症状が出てからでは遅いのは、人間も動物も同じです。また、動物は本能として、不調を外に見せないようにします。飼い主自身が行う「ウェルネスチェック」と、動物病院での「健康診断」を習慣にして、大切な家族の一員であるペットの健康寿命を延ばすことが常識化しつつあります。

ペットの医療体制

動物病院の数は年々増加している傾向にあります。
農林水産省の「飼育動物診察施設の開設届出状況」によると以下のように推移しています。

出典:農林水産省

図のように動物病院の数は近年ゆるやかに増加しています。また動物病院の数は関東や大阪などの3大都市圏に集中しています。その割合は、3大都市圏だけで全国の動物病院の約45%を占めています。

やはり関東や大阪は人口が多い分、ペットを飼っている人も多くなるため、そこの道津病院の数が増えるのはもはや必然的と言ってよいでしょう。また中でも特に動物病院の数が多いのが東京です。(令和3年の時点で1,884件あり、全国の動物病院の約11%が東京)

また診察する動物で分けると、犬や猫、鳥などの小動物を診療をしている病院が多いです。その数は全国の動物病院数16,478件中12,435件と約75%の割合です。 この原因は小型の動物のほうが飼育するのが簡単であるという事実にあります。

ペットクリニックの役割と分類

ペットとして飼育されている動物の病気やケガの診察などを行う場所を動物病院といいます。動物病院のほかにペットクリニックなどと呼ばれています。スタッフには受付・看護師・獣医がいます。規模に関しては数名の小規模な動物病院から数十人の動物病院まであります。また動物病院の種類も様々で、以下のような種類があります。

【動物病院の種類】

  • 個人病院
  • 専門病院
  • 夜間救急病院
  • 往診専門病院
  • 大学附属病院

まず「個人病院」は、ケガや病気を全般的に診る町のかかりつけ医です。在籍している獣医は1、2名で、規模としては小さいです。1次診療として機能している病院が多いです。次に「専門病院」とは、眼科専門や循環器専門など、専門性の高い動物病院です。また「夜間救急病院」とは、夜間のみ診察している病院のことをいいます。応急処置を施し、翌日以降はかかりつけ医に引き渡す役割を果たします。

「往診専門病院」は、ペットを病院まで連れていけない場合に利用される動物病院です。飼い主の自宅に出向いて診察を行います。また検査が必要な場合は病院まで送迎することもあります。
最後に「大学付属病院」は、獣医大学にある動物病院のことです。特徴として高度な医療機器と最先端の治療法を提供している点が挙げられます。

最近は2次診療専門の高度医療を提供する「動物高度医療センター」が都市部を中心に開設され、大規模な設備で24時間緊急対応、ペットの早期癌検診、ペットが弱ってきた際により詳しい診断や一般的に治療が困難な症例への最適な判断と処置が求められているという需要に応えています。さらにペットを失った飼い主の心のケアを担当するカウンセラーも置いて総合的サービスを提供しています。

今後もペットの健康管理の重要性が増す中で、動物病院の役割はますます重要となるでしょう。

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弓達 隆章
Yudate Takaaki

[株式会社アドバンスネット ペット共生型賃貸管理業エグゼクティブアドバイザー]愛媛県出身、法大院卒(経営管理修士)。34年間の損害保険会社勤務を経て2018年「共生社会におけるペット保険の現状と将来」を慶大保険学会で発表。日本と海外におけるペット共生文化の相違、今後の展望をまとめる。その後、大手賃貸管理会社にて保証ビジネス担当。2022年よりイチイグループにてエグゼクティブアドバイザー兼ライター。ペット共生型賃貸不動産オーナーのための経営情報、シニア向けペット共生のすすめ、自治体と協調したペット防災等の情報発信中。防火防災管理士、賃貸住宅経営管理士。 なおペットはずっとマルチーズ派。