まず、高齢になったペット自身に関する問題として「疾病の多様化」があります。人間の高齢化が進むに連れてガンや認知症といった疾病が増えたように、犬や猫に関しても長寿命化に伴って疾病が多様化するようです。従って、そうした疾病を未然に防ぐ/早期に発見するための仕組み作り、そして、実際に発覚した疾病を治療する医療技術の開発が課題となります。

また、ペットが高齢になることで飼育者に生ずる問題として老老問題があります。人間の高齢化が進むと同時にペットの高齢化も進むことで、高齢飼育者×高齢ペットという状況が多数出現します。ペット飼育にはある程度の苦労が必要であり、高齢ペットの飼育となれば尚更大変です。それ故、このままでは高齢飼育者による飼育放棄が増えてしまうかもしれません。あるいは、飼育者よりもペットが長生きすることで、ペットだけが1頭取り残されるケースも増えてきます。

ペットとともに暮らせる住宅設計

『 ペットは、かけがえのない大切な家族であり仲間 』だから家造り・注文住宅を考える時は、人とペットの共存を大切にした設計を考えたくなります。ペットに対し ≪人生のパートナー・家族≫という考えが主流になり、ペットと人は主従関係から共存関係へと変化しています。室内で一緒に暮らすスタイルが定着したからこそ、ペット本来の習性に配慮し、ともに快適に暮らせる住宅設計をします。それがペット共生住宅です。

ペット世帯向け住宅ビジネスは需要がある

全体としてマンション需要が増えている一方で、ペット飼育世帯の賃貸・共同住宅割合が低水準である原因の一つとして、そもそも「ペット可」の物件が少ないこと(供給不足)があげられます。

「ペット可賃貸の現状について」によると、東京23区内において「ペット可」である賃貸住宅は全物件の約12%程度に過ぎないようです。従って、ペット飼育が可能な物件の需給ギャップに着目して、ペット飼育世帯向けの共同/賃貸住宅を検討するのは一つの手だ。

さらに、税制改正により節税目的の賃貸住宅が増加することや総世帯数が2019年をピークに減少する見通しです。(国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」, 2013)このことを考慮すると、長期的には賃貸住宅の供給過多が進むことが予想されるため、今後は付加価値のついた住宅を提供する必要があります。

アドバンスネットはその際に、ペット飼育世帯向けの住宅を提供することで、他の賃貸不動産乖離会社との差別化要因になり得ると考えます。

ペット共生型住宅とは?

ペット共生型住宅とはペット自身が安心して安全な生活が送れる設備を有している住宅です。ポイントとしては以下の通りです。

ペット共生型住宅のポイント5つ
  1. 犬の足にやさしい床材を選ぶ
  2. 犬のためのスペースをつくる
  3. 犬種や大きさによって必要な条件は異なる
  4. 猫が絵になる空間をつくる
  5. 動線を考える
ペットを飼う」のではなく「ペットと共に生きる」。アドバンスネットは安心で快適な暮らしを提供しています。

ペットを飼う”のではなく“ペットと共に生きる” アドバンスネットは安心で快適な暮らしを提供します。(持ち家住宅を含む)

国別にみた犬の飼育率

下記は国別にみた犬の飼育率で、ペット飼育数ランキングトップ10位までの国の飼育数を人口で除した割合を算出しています。なお前述のペットフード協会と違い、世帯数や多頭飼いなどは考慮していませんので、あくまで簡易的な指標であることをご了承ください。

この順位からわかることは、飼育数が世界で最も多いアメリカは人口当たりの飼育率は2番目に高く、ペットと人が共生しているという意味でのペット先進国であることが分かります。また最も飼育率が高い国はブラジルで、日本は11位でした。

国別にみた猫の飼育率

猫の国別飼育率ランキングでは、こちらも猫の飼育数10位までの国々を人口で除した飼育率から算出しています。アメリカが最も飼育率が高く、続いてルーマニア、フランスが飼育率が高い結果となりました。日本は猫の飼育率が微増傾向にはあるものの、やはり11位でした。

なお猫の飼育率が最も高い国はロシアで57%、次いでフランスの41%となっています。世界的に見て猫より犬の飼育率の方が高い傾向にある中、この2ヶ国はいずれも10%以上も猫の方が飼育率が高いため、ペットとしてとりわけ猫を好む国民性が伺えます。

一方、世界的に見るとアジア諸国で猫の飼育率が低い傾向が顕著に表れています。. これは犬も同様で、日本ではペットブームや猫ブームなどにより飼育率がそこそこ高いのではないかと思われましたが、世界的に見ると低い飼育率であることが分かります。

国別の猫飼育率

世界の飼育ペット順位

全世界で一番飼われているペットはの犬で飼育頭数は4.7億頭、2番目は猫で飼育頭数は3.7億頭と言われています。3位ゴールデンハムスター、4位はうさぎとなります。 アメリカが犬、猫ともにトップですが、近年中国の飼育数が急成長しており、人口比率から見て中国がトップになる日も近いと言えます。

順位動物名
1位
2位ネコ
3位ゴールデンハムスター
4位うさぎ
5位ハリネズミ
6位フクロウ
7位フェレット
8位セキセイインコ
世界の飼育ペット順位

ペットを飼っている人が多い国はどこ?

地域別にペットの飼育率を見ると、最も高かったのは中南米で、アルゼンチン、メキシコでは80%、ブラジルでは75%の人がペットを飼っていることが分かりました。 この中南米3カ国に次いだのはロシア、アメリカで飼育率はそれぞれ73%、70%となりました。

ペット先進国とは?

ペット先進国とはそもそもどのような国を表した言葉なのか、実はよくわかっていないという方もいらっしゃるでしょう。簡潔に表現するなら、ペット先進国とは動物を人間と同等に大切にして愛そうという「動物愛護」の環境が整った国のことです。飼育数や飼育率が高い国ではありません。

具体的には、動物を守るための法整備や、動物と一緒に快適に暮らすための生活様式の構築などがしっかりと行われている国を指しています。

ペット先進国別の法律

〈引用文献〉
・一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査(2019)」・厚生労働省「都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等(平成25年度~平成30年度)」A Guide to Worldwide Pet Ownership,2015/5

弓達 隆章
Yudate Takaaki

[株式会社アドバンスネット ペット共生型賃貸管理業エグゼクティブアドバイザー]社会におけるペット保険の現状と将来」を慶大保険学会で発表。日本と海外におけるペット共生文化の相違、今後の展望をまとめる。その後、大手賃貸管理会社にて保証ビジネス担当。2022年よりイチイグループにてエグゼクティブアドバイザー兼ライター。ペット共生型賃貸不動産オーナーのための経営情報、シニア向けペット共生のすすめ、自治体と協調したペット防災等の情報発信中。上級救命士(東京消防庁)、防火防災管理士、賃貸不動産経営管理士。 なおペットはずっとマルチーズ派。