「政府がホテルを手配してくれましたが、ペット同伴は不可でした。この点について本当に改善してほしいです。」2024年4月3日に台湾東部沖で地震が発生した花蓮市(台湾)では、地震対策においてペット同伴避難がうまくいかない理由について、いくつかの要因が考えられます。
台湾地震でもペット同伴避難がうまくいかなかった理由
- 多くの避難所や公共施設は、人間の避難を優先して設計されています。ペットのための避難スペースや設備が不足していることがあるようです。
- また、一部の建物はペット同伴を許可していないため、飼い主は避難所を選ぶ際に制約を受けることがありました。
- 避難計画において、ペットの避難方法や避難所の指定が不明確なことがあります。飼い主は適切な情報を得ることが難しい場合がありました。
- 緊急時には飼い主は自身の安全を最優先に考えることが一般的です。ペットの避難を考える余裕がない場合があります。
- 飼い主はペットを愛しているが、避難所での生活やペットのケアに対する不安を抱えていることもあります。
- 一部の人々はペットを家族の一員として扱い、避難時にも一緒に避難したいと考えています。しかし、地域に因っては社会的な認識や文化によって異なりもあります。
- 地震発生時には多くの人々が避難所を利用するため、スペースが限られています。ペット同伴の場合、さらにスペースが圧迫される可能性があるのです。
台湾ではこれらの課題に対処するため、ペット同伴避難に関する情報提供や避難所の改善を進めていますが、まだ改善の余地があると言えます。
世界中でもペット同伴避難の受け入れ状況は異なりますが、一部の先進的な事例では、ペットと飼い主の両方の安全と福祉を確保するために様々な対策が考えられています。例えば、日本でも一部の避難所でペット同伴専用の避難所を開設しており、周囲に気を遣わず過ごせる環境やペット用の物資の充実などが提供されています。
ペット同伴避難を検討する際の注意点
ペット同伴避難を検討する際には、以下の点に注意して備えておくことが重要です。
- ケージ・クレートに入れる習慣をつけておく。
- 物資を準備しておく(ペットフード、お水、リード、首輪など)。
- 事前に避難所に問い合わせて同伴避難の可否を確認する。
ペット同伴避難は、ペットと飼い主の安全を守るために大切な対策です。
ペット同伴避難は、飼い主がペットと一緒に避難生活を送ることを指します。災害によって家屋が倒壊し、避難所への避難が必要になった場合、ペットも同じ避難所の中で暮らすことができます。
同伴避難とは異なる言葉として、同行避難があります。同行避難は、ペットを連れて避難所まで一緒に移動することを指しますが、避難所内に一緒に入ることを意味していない点で、ペット同伴避難とは異なります。
ペット防災の現状
ペット防災とは具体的に何を指すのでしょうか?ペット防災は、災害時にペットの安全と健康を守るための対策を指します。具体的には以下のようなことが含まれます。
災害時にペットの安全と健康を守る5つのこと
- 避難計画 ペットと一緒に避難するための計画を立てることが重要です。避難所での収容や同行避難の対応、避難先でのペットのケアなどを考慮します。
- ペットの持ち物 災害時に必要なペットの持ち物を用意しておくことが大切です。食料、水、薬、トイレ用品、リード、キャリーバッグなどを備えておきましょう。
- ペットの健康管理 災害時にはペットの健康状態を管理することが重要です。予防接種や健康診断を受けておき、必要な薬を持参してください。
- ペットのストレス対策 避難所や新しい環境でのストレスを軽減するために、ペットのお気に入りのアイテムやおもちゃを持参し、安心感を与えましょう。
- 自治体の防災計画 各自治体は防災計画を策定しており、ペットの災害対策についても記載されています。ペットとの同行避難が可能かどうかをあらかじめ確認し、避難計画を考えておくことが重要です。総じてペット防災については地域ごとに異なるため、住んでいる自治体の情報を確認し、適切な対策を取ることが大切です。
地方自治体の防災対策は大きく分けて2つ
地方自治体の防災対策は大きく分けて2つあります。詳細は下記の通りです。
災害が発生した際、自治体の災害対策本部要員は避難場所に残り、正確な災害情報を収集し被害状況を把握します。また、初期消火活動や消防機関への通報、避難誘導なども行います。
避難してきた被災者のために必要な飲料水、食料品、簡易トイレ、衛生用品、毛布などの備蓄が必要です。また、ケガをした避難住民のため、手当ができる救急セットなども用意しておかなければなりません。
さらに、地方自治体は地域の特性に合わせた防災活動を行っています。例えば、桜島のように大規模噴火を想定した防災訓練を実施している自治体もあります。
各自治体におけるペット災害対策や取り組み
各自治体におけるペットの災害対策や取り組みは下記の通りです。
- 同行避難の方針 東京都はペットの同行避難を前提とした方針を採用しています。伊豆大島噴火災害や三宅島噴火災害などの経験を踏まえ、ペットと飼い主が一緒に避難できる体制を整備しています。
- 地域防災計画に明記 東京都の地域防災計画では、ペットの同行避難について明確に記載されています。具体的な対応は各区市町村で行われますので、お住まいの地域の防災計画を確認してください。
- 関係団体との協定締結 東京都は大規模な災害が発生した場合に、被災した犬や猫などの愛護動物の救護を図り、都民の生活の安定に寄与するため、関係団体との協定を進めています。
- 動物愛護管理対応マニュアル 東京都では災害時の動物愛護管理対応マニュアルを策定しています。このマニュアルは、区市町村の具体的な活動内容を整理し、風水害時を想定した対応策も盛り込まれています。総じて、ペット防災は飼い主とペットの共同の責任で行うべきものであり、同行避難が必要な場合はペットを一緒に避難することが重要です。
- 鑑札や迷子札の装着 ペットには鑑札(犬)、迷子札、マイクロチップなど、飼い主の連絡先がわかるものをつけることが大切です。災害時にペットが行方不明にならないようにします。
- 避難所での同行避難の準備 ペットをすぐにキャリーやケージに入れるように慣らすことが求められます。避難所での集団生活に備えて、ペットの健康管理やワクチン接種、ノミ・ダニなどの駆除も忘れずに行いう事を呼び掛けてます。
- 窓の近くでのペット飼育に注意 窓の近くでペットを飼っている場合は、ガラスに飛散防止フィルムを貼るなどして、災害時の安全確保を呼び掛けています。神奈川県はペットと飼い主の共同の責任で、災害時の備えを進めています。
- 動物救護活動マニュアル 千葉県は災害時の動物救護活動について、マニュアルを策定しています。このマニュアルは、被災地域での動物救護活動を効率的に行うための指針となっています。平成21年から平成30年までに改正が 行われ、被災時の動物救護本部や千葉県動物救護センターの設置、被災動物への支援などが記載されています。
- 避難所におけるペット対応の手引き 千葉市では、避難所におけるペット対応の手引きを作成し、避難所運営委員会に配布しています。ペットと同行避難してきた方の受け入れを想定したルール作りを進めています。
- ペットの防災対策普及啓発 「千葉県動物の愛護及び管理に関する条例」により、災害時における動物との同行避難が規定されています。ペット飼育者に対して、防災対策の普及啓発を行っています。千葉県はペットと飼い主の共同の責任で、災害時の備えを進めています。
- ペット同行避難ガイドラインの作成 埼玉県生活衛生課は、「ペット同行避難ガイドライン」を作成しました。災害時のペット同行避難が円滑に進むよう、具体的な指針を提供しています。
- ペット動物のための防災手帳 埼玉県では災害時の同行避難に備えた「持ち歩くことのできる記録簿」を作成しています。この手帳にはペットの情報や健康状態、接種歴などを記録しておくことで、避難所での円滑なペットの管理に役立ちます。
- ペット救護活動の協力体制 埼玉県では災害時にペット救護活動を円滑に実施するため、各関係団体と覚書を締結しています。負傷動物の治療やペット用品の調達などについて協力体制を築っています。ペットと飼い主の共同の責任 で、災害時の備えを進めていることがわかります。
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[株式会社アドバンスネット ペット共生型賃貸管理業エグゼクティブアドバイザー]愛媛県出身、法大院卒(経営管理修士)。34年間の損害保険会社勤務を経て2018年「共生社会におけるペット保険の現状と将来」を慶大保険学会で発表。日本と海外におけるペット共生文化の相違、今後の展望をまとめる。その後、大手賃貸管理会社にて保証ビジネス担当。2022年よりイチイグループにてエグゼクティブアドバイザー兼ライター。ペット共生型賃貸不動産オーナーのための経営情報、シニア向けペット共生のすすめ、自治体と協調したペット防災等の情報発信中。防火防災管理士、賃貸住宅経営管理士。 なおペットはずっとマルチーズ派。