分散型サ高住の目指すところは、介護だけでなく生活全般を支援し、長く住み続けられる住まいを提供することです。しかし、事業者には人件費を賄うための大規模な戸数が必要です。この課題をどう解決すればよいのでしょうか。

生活支援サービスの供給網を地域に築くのが優先課題

イチイが取り組む「分散型サ高住の事業化」についてご報告します。

そうしたゴールイメージに近づけるため、私たちは生活支援サービスの事業を育成し、貸主と管理会社、生活支援サービス事業者、建設会社の地域連携によって、分散型サ高住を広げていくシステムを実現したいと思います。そこで、当社では次のことに取り組んでいく考えです。

分散型サ高住への取組み
  1. 入居者が生活支援サービスの提供を受けていつまでも住み続けられるよう、「地域ネットワーク」の仕組みをつくる
  2. この仕組みづくりのため、「住まい」と「サービス」を切り分け、まず先にサービスで地域をカバーする

まず先にハード(建物・設備)を整備し、そこに必要なソフト(サービス)を付ける、というのが従来の一般的な考え方ですが、私たちは視点を大きく転換。
あらかじめサービスの供給スキームを作り上げ(事業者の育成など)、その後にハードを展開(既存の空室の活用も)していく取り組みにチャレンジします。

分散型サ高住スキーム

ハードもソフトも両方できるの?

やはり、地域に永く住み続けるには分散型サ高住が各種制度のなかで最も優れていると思うのですが、一つの事業者がハードとソフトの両面(全体)を担うことの難しさがあります。

もっとも、現行の制度でも生活支援サービスの提供者を切り分け、別途設けることはできるものの、第三者として生活支援サービスのみを供給する事業者はほとんど存在しません。
実際には子会社(生活支援事業者)が親会社のサ高住のみにサービスを提供するか、または介護サービスと並行して行われるケースが大半です。

そこで、当社ではサービス事業者を第三者として位置づけることで、地域に点在(分散)する数多くの家主や管理会社の皆さんと密接に連携(生活支援サービスを外部から独居高齢者へ広く提供)し、ソフト主導型によってご高齢者の住環境を充実させていきたいと考えています。