日本では多くの世帯が戸建て住宅で生活をしていますが、ライフスタイルが変化すれば理想の住まいも大きく変わります。
例えば子供が独立した後の夫婦2人世帯では、持ち家が必要以上に広くなり、すべての部屋を活用できなくなるケースが考えられるので、広すぎる持ち家ではスペースに余裕ができるだけでなく、掃除や修繕などの手間もかかります。
そこで本記事では、広すぎる持ち家を有効活用する方法の一つである賃貸併用住宅について詳しく解説します。
賃貸併用住宅とは
賃貸併用住宅とは、2世帯以上の住戸をつくることができる建物を建て、その一部を賃貸物件として貸し出す方法です。
持ち家をリノベーションして一部を賃貸スペースにすれば、新たに賃貸物件を購入する必要がないため、少ないコストで賃貸経営が始められます。
例えば、2階建て住宅の場合、1階をオーナー家族が住む部屋、2階を賃貸にすることも考えられます。また、2階にご自身が住んで、車好き・バイク好きの入居者のために「ガレージ付き賃貸住宅」にすることも可能です。
持ち家が広すぎる方に向けた賃貸経営の手法ですが、始める際は「賃貸需要がありそうか?」「どのような設計にするか?」など詳細に調べて進めることが大切です。
賃貸併用住宅のメリット・デメリット
持ち家を賃貸併用住宅にした場合のメリットとデメリットを以下にまとめます。
賃貸併用住宅のメリット
持ち家の一部を賃貸に出すことで、家賃収入が得られる点が何よりのメリットです。
立地条件などが良ければ高い家賃設定で出すことも可能であり、子供が独立した後の高齢の夫婦世帯では、老後の貴重な収入源になるでしょう。
また、持ち家を賃貸併用住宅にする場合、新たに賃貸物件を購入するよりも少ない費用で始められます。
入居者としても、マンションのような集合住宅と比較して、戸建て住宅に近い環境で生活できるため、駐車場や広いスペース、庭など、ほっとできる住環境があるのも魅力です。
賃貸併用住宅のデメリット
住宅を新たに購入より低コストとはいえ、家をリノベーションしたり、最新の設備を導入したりするのに大きな費用がかかります。
そのため、賃貸に出しても入居者が入らず、空室期間が長く続いた場合、初期投資額を回収できず、収支が赤字になる可能性があります。
また、入居者のマナーが悪いと、騒音、喫煙などのトラブルが発生する可能性があります。
こうしたトラブルは賃貸物件であればどんな建物でも起こる可能性がありますが、賃貸併用住宅ではオーナーと入居者との距離が近い関係上、オーナー自身が対応しなければならないことを理解しておきましょう。
賃貸併用住宅の需要は増加している?
近年、新型コロナの影響や老後の年金対策として、賃貸併用住宅が注目されるようになりました。
以下に賃貸併用住宅が注目されるようになった背景を3つ紹介します。
テレワークや在宅勤務の増加
新型コロナの感染対策として、都内の企業を中心にテレワークや在宅勤務が普及しました。
しかし、仕事中もプライベートも関係なく常に家にいると、オンとオフの切り替えが難しいので、家族と過ごす部屋と仕事部屋の両方が欲しいと考える方も増加しています。
また、ファミリー層だけでなく、独身の方も自宅で長時間過ごすようになったため、立地や周辺環境ばかりでなく、家の快適性や広さを求める方が増加傾向にあります。
トラブルや感染対策
マンションやアパートなどの集合住宅では、入居者の在宅時間が長くなった関係で、騒音を始めとしたトラブルが急増しました。
また、多数の人が入居するマンションやアパートでは、戸建て賃貸と比較して建物内での感染リスクが高いと考える方も少なくありません。
このような騒音トラブルや感染対策の観点からも、賃貸併用住宅の需要が高まっています。
老後の年金対策
老後の年金対策は近年、大きな問題となっています。公益財団法人生命保険文化センターが行った意識調査によると、老後の最低日常生活費は月額で平均22.1万円、ゆとりある老後生活費は平均36.1万円と発表されています。
しかし、高年収の方や長年共働きで生活してきた方以外は「ゆとりある老後生活費」を年金だけで得るのは困難であり、今後は少子高齢化の影響で公的年金の財政がいっそう厳しくなることから、より多くの方が老後資金に悩むことが増えると予想されています。
そんな中、広すぎる持ち家を賃貸併用住宅として上手く活用すれば、老後の貴重な収入源となるため、ゆとりある老後生活の実現に繋げられるでしょう。
まとめ
広すぎる持ち家に住んでいる方にとって、賃貸併用住宅は資産形成の有効な手段といえるでしょう。
特に近年では、テレワークや在宅勤務の増加により、ファミリー世帯に限らず、独身者でも自宅の環境を向上させたいニーズが高まっているため、好立地の家に住んでいる方は、高い収益を得られる可能性があります。
しかし、持ち家を賃貸併用住宅にするには初期費用がかかり、空室が続けば収支が赤字に陥るケースもあるので、事前にしっかりと収支シミュレーションを行ってから判断することが大切です。若干収入は落ちますが、サブリースという方法もあります。
もちろん、自分の力だけで調査するのは困難なので、事前に信頼のできる不動産会社へ相談しながら進めることをおすすめします。
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