点検によって不具合の箇所が発見できます

前回に引き続き、国土交通省が建物メンテナンスの重要性をオーナーに啓発するために作成した「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」をご紹介します。

国交省が「安定的な賃貸経営のためにも必要」と訴えている『計画修繕』(定期的なメンテナンス)は、空室を防ぐうえでも大切で、賃貸経営においてはまさに本丸に位置づけられる取り組みです。

計画修繕は賃貸経営の本丸!

今回は「定期点検はなぜ必要なのか」についてリポートします。

前回ご説明した「長期修繕計画」により、修繕を行うおおよその時期は把握できるものの、実際に効果的なタイミングを判断するには、こまめな点検が必要です。

具体的には、日常の清掃と合わせて行う点検や年1回等の定期的な点検で、不具合のある箇所が発見できます。
早めに見つかれば部分的な修繕で済むので、将来のコストが抑えられるでしょう。

そして、台風や地震等の後には、破損箇所がないかを確認する「臨時点検」を行うのがベストです。

なお、入居者の安全を確保するために各種法令で義務づけられた点検(法定点検)は、何よりも重要になります。

次の修繕にも備える

点検で不具合を発見したり、長期修繕計画に基づく修繕の時期が近づいた場合、劣化診断や精密検査を実施します。

その結果をもとに、具体的な修繕内容を決定し、工事費用の見積りを取ってから修繕を行うというのが一連の流れです。

修繕は一度だけで終わりではありません。
工事の終了は、次の修繕に向けての出発点となります。

次の修繕では、今回の実施状況(図面や現場写真等)が大変役に立つので、資料を整理して記録を残しておくことが大切です。

次回は「オーナーは修繕に欠かせない資金をどう確保すれば良いのか」等についてリポートします。

〈つづく〉

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