【1分小話】つぶやく「イチイのトラブル請負人」
「法改正を経営に活かす」大家さん応援物語をコラムでお送りします。

エアコンが使えない!賃料は減額する?

まもなく今年4月(2022年)から改正(施行)される民法のことを気にされていました。

大家さん「備え付けのエアコンが動かないと連絡があり、業者に修理を依頼したが、修理に2週間かかってしまった。入居者はかなりご立腹で、その代わり来月の家賃は下げてほしいと言ってきたけど、どうしたらいいものか」

請負人「オーナー様、今回関係するのは民法の新しい条文 611条です。」

条文611条とは

条文611条
借りた物が使えなくなった場合は使用できない部分の割合に応じ、賃料は当然に減額される(但し、借主の故意・過失による場合を除く)。

条文611条は、借りた物が使えなくなった場合とは設備の不具合のほか、水道や電気・ガスが(建物内設備の問題で)使えない、雨漏りで住めないといったケースも当てはまります。

それなら賃料はどの程度減額すればいい?と疑問が浮かびますが、裁判例も少なくまだ明確な基準がないんです。

国交省のコメントでも「借主と貸主が話合い、適正な減額の割合や減額の期間、減額の方法(賃料は変えずに一定の期間一部免除する、あるいは賃料そのものを変更する)等を合意の上、決定することが望ましい」というだけです。

今はまだ改正民法の施行前ですが、従来の民法の下でも、設備の不具合で賃料の減額は請求できるとされています。オーナー様、そのご入居者とは私の方で話し合ってみましょうか?」

エアコンに限らず、住宅設備はメンテナンスや交換を適切に行い、使用不能になる事態を防ぐことも、民法改正への対応策としてとても重要だと思います。

〈つづく〉