防災賃貸住宅が足りない!防災グッズやマニュアルの配付を

(前回よりつづく)
第14話 なぜ入居者はデザイナーズ物件より防災賃貸住宅を選ぶの?

今回の調査結果について、SUUMO副編集長の江原 亜弥美さんは次のようにコメントしています。

魅力を感じる賃貸住宅のコンセプトは、従来人気の高かった「デザイナーズ物件」や「ペット」を抑えて、「防災賃貸住宅」が1位でした。賃貸契約者の3人に1人以上が、防災備蓄倉庫や蓄電池などが整備された災害対応力のある物件に魅力を感じています。

その一方、市場では防災賃貸住宅の選択肢がまだ少なく、災害発生時は入居者の自助に頼るほかない状況です。
もっとも、後付け可能な設備の設置、入居者への防災グッズや災害時のマニュアル配付など、既存の賃貸住宅でもできることはあると思います。

これからは防災賃貸住宅が少しでも増えていくことを期待しています。

引用:株式会社リクルート「SUUMOリサーチセンター」

オンラインによる内見と契約が拡大

また、新たに住まい探しにおいても不動産市場に変化がみられます。オンライン内見と電子契約の急増に加え、新たな工夫が必要となりそうです。

オンラインで内見する人、オンラインで完結する契約を行った人は前回調査から増えました。そもそも電子契約は今年5月に解禁されたばかりですので、引き続きオンラインによる内見・契約が拡大し、定着していくのではないでしょうか。

その一方、オンライン内見だけでは部屋の広さや開放感、設備の質感などがつかみづらいものです。
そのため、高性能カメラによる丁寧な説明や室内を体感できるVRなどの工夫があれば、入居後のイメージもつきやすいと思います。

引用:株式会社リクルート「SUUMOリサーチセンター」

オンライン内見の導入やVRの検討、電子契約の導入など、入居者との円滑なプロセスをサポートできるよう、不動産市場のトレンドに積極的に対応することが不可欠です。