賃貸住宅に住み慣れている人とそうでない人とでは住まい探しのこだわりや求める条件は変わってきます。両者の間にはどのような違いがあるのでしょうか。

不動産情報サービスのアットホーム(株)は、過去2年以内に一人暮らしを開始した、および過去2年以内に新しい物件に引越しをした22歳~29歳(学生を除く)の男女549人に、住まい探しについてアンケート調査を実施しました。両者の住まい探しの違いを見てみましょう。

※本調査では、一人暮らしを経験した物件数が1件の人を「住まい探しデビュー」、一人暮らしを経験した物件数が2件以上の人を「住まい探しベテラン」と定義しています。

現在の賃貸住宅に対する満足度について

現在の物件と最初に一人暮らしをした物件の満足度について質問しました。すると、住まい探しベテランの物件満足度は、最初に一人暮らしをした物件と比べると現在の物件に対する満足度が全体的に高いことが分かりました。それに対して、住まい探しデビューの物件満足度は、36.5%という結果になりました。

賃貸住宅を探す際にこだわった条件・設備について

次に、住まい探しベテランが最初の物件と現在の物件を比較して、物件を選ぶ際にこだわりが強くなった条件について尋ねました。すると、経験物件数3件・4件以上は「通勤・通学に便利」が上位に入っていました。一方、こだわらなくなった条件では「2階以上」「最上階」が上位に入っており、階数に対するこだわりが引越しの回数を重ねるごとに薄まっていることが分かりました。

続いてこだわりが強くなった設備について質問すると、経験物件数2件・3件以上のこだわりが強くなった設備は「モニタ付インターホン」経験物件数3件・4件以上の上位には「フローリング」がランクインしていました。

住まい探しデビューが住まい探しで知らなかった言葉・設備とは

住まい探しデビューに、住まい探しの際にわからない言葉や設備について質問すると、1位になったのは「ディンプルキー」でした。ディンプルキーとは、小さなくぼみ(=ディンプル)が表面に多数付いている鍵のこと。このつくりは複製を作ることが難しいため、防犯対策に優れていると言われています。

2位は「光ファイバー」、3位は「CATV」でした。

内見した平均物件数について

賃貸住宅を探す際に、住まい探しベテランと住まい探しデビューでは内見する物件数はどれくらい違ってくるのでしょうか。

住まい探しベテランの内見平均物件数は、最初の物件と比較して増加していることが分かりました。住まい探しの回数を重ねる度に慎重度が高まっているようです。

入居検討者が利用したいと思う不動産会社について

最後に、両者にもう一度利用したいと思う不動産会社の特徴を質問しました。どちらからも多かった回答は「物件についてメリットだけではなく、デメリットも説明してくれる」で35%以上でした。また、住まい探しデビューの最多は「問合せに対するレスポンスが早い」で、スムーズなやりとりを不動産会社に重視しているようです。賃貸オーナーにとっても、自分の物件をどの不動産会社に任せるのかは空室対策に大きく関わってくるため、重視する必要があると言えます。

以上、20代男女549人に聞いた住まい探しについてのアンケート調査でした。今後の賃貸経営の参考になりましたら幸いです。