知りたいことや聞きたいことを瞬時に教えてくれるChatGPT。さまざまなビジネスシーンで利用されていますが、賃貸経営においてもChatGPTは心強いパートナーになります。

利用する前に知っておきたいのが、「GPT3.5」と「GPT4.0」の違いです。精度が異なるため、同じ質問でも回答が変わってきます。そこで今回は、「GPT3.5」と「GPT4.0」に同じ質問を行い、回答を比較してみました。ぜひ参考にしてみてください。

▼GPT3.5と4.0の違いやChatGPTの注意点を知りたい人はこちら▼

GPT3.5とGPT4.0に空室対策について質問

今回は同じ質問を「GPT3.5」と「GPT4.0」に行ってみました。同じ質問でも回答はどのように違うのか、それぞれに次の質問をしました。

質問:「私は賃貸住宅を経営しています。今の悩みは空室があることです。空室対策に有効な方法を教えてください。」

【空室対策に有効な方法】ChatGPT3.5の回答

空室対策について質問

物凄い速さで回答を記述してきたGPT3.5。しかし、7個目の回答になると文章の途中で止まってしまいました。こうした場合は、止まってしまった部分を新たに入力して質問すると続きを出力してくれます。

以下のように入力すると・・・

空室対策への回答

下記のように、続きを出力してくれます。

ChatGPTが応える空室対策

ここまで読むと、最もな回答ではあるものの賃貸経営をしている人なら既に知っているあたりさわりのない内容です。いかにもマニュアル的な回答という印象を持ちました。

【空室対策に有効な方法】ChatGPT4.0の回答

同じ質問をGPT4.0に行いました。回答は以下のとおりです。

GPT4.0空室対策への回答

GPT3.5との一番の違いは、各見出しが太字になっていること。読みやすさを考慮していて親切な印象を持ちました。

そして、GPT4.0のほうが短い回答です。同じ質問でも、回答のボリュームは同じでないことがわかりました。GPT4.0はGPT3.5と比べると回答が絞られており、より具体的な回答になっています。

GPT3.5とGPT4.0のどちらにもあった広告についての回答を比較してみると、GPT4.0のほうが具体的であることがわかります。

続いて、上記の回答に出ている「広告」についての回答を見比べてみました。

【不動産広告】GPT3.5の回答

不動産広告  GPT3.5の回答

【不動産広告】GPT4.0の回答

不動産広告戦略の見直し

GPT3.5の回答は、「広告や宣伝活動を強化」「地元の新聞やチラシなどを活用」と書いてあるだけで一例などは書いてありません。

それに対してGPT4.0は、「オンライン広告や専門の不動産ウェブサイトを活用するとともに、物件の魅力的な点を強調する写真や説明文を用意」と具体的に説明しています。ここまで読むと、GPT4.0のほうが要点を簡潔に回答していることがわかります。

GPT3.5とGPT4.0にさらに質問

次に、両方に「広告・宣伝活動の強化について具体的に教えてください」と質問しました。

GPT3.5の回答

GPT3.5 広告・宣伝活動の強化

この中で有効と思った回答は、「4、チラシやパンフレットの配布」の中にある「地元の商業施設やコミュニティセンター、大学キャンパスなどに配布」です。「5、口コミや紹介制度の活用」の「現在の入居者や関係者に対して、紹介制度を導入」も良いと思いましたが、紹介制度を導入したことで入居者が得られるメリットが書いていません。ここを知りたい場合はさらに質問する必要があります。

また途中で回答が切れたので、最後の2行を質問してみると、以下の回答がきました。

広告・宣伝活動の強化の続き

広告・宣伝活動の効果測定についての回答です。ここまで回答してくれるのは親切ですし、効果測定方法を知らない人にとっては有益になるでしょう。

GPT4.0の回答

次にGPT4.0の回答です。

広告・宣伝活動 GPT4.0の回答

「4、ローカルイベントのスポンサー」の回答は思い浮かばなかったので、新たな発見でした。「6、口コミ・紹介制度」も、紹介制度を設けた場合の入居者のメリットを記述しています。先ほどと同様に回答が絞られているので、読む時間が短縮できます。

GPT3.5は広告・宣伝活動の効果測定についても回答があったので、GPT4.0に質問してみました。回答は以下のとおりです。

宣伝活動の効果測定

GPT3.5とGPT4.0に同じ質問をしてみた感想

今回、両方に質問して思ったことは以下です。

  1. GPT3.5の回答:概要やあたりさわりのない情報、初心者向けの情報。しかし、丁寧に説明してくれる。
  2. GPT4.0の回答:思い浮かばなかった具体案が含まれている一歩先の情報。回答が簡潔で見出しも太字なので読みやすい。

GPT3.5のほうが回答の出力が早いですが、途中で回答が切れるので、再度質問を入力することに手間を感じました。

GPT4.0はGPT3.5ほど出力スピードが早くはないものの、回答は要点を掴んでおり、簡潔に述べられているのでわかりやすく、読む時間も短縮できます。最初に概要を知りたい人はGPT3.5、既に知識がある状態で具体案を知りたい場合はGPT4.0が適していると感じました。

今回の記事が賃貸経営のオーナー様のお役に立てれば幸いです。

筆者:阿部 恭子

家具会社の勤務経験を活かし、インテリアや住宅に関わる記事を多数執筆。また、約8年の営業職で培ったコミュニケーション力を活かし、インタビュー記事も手がける。取材人数800名以上。大手ECサイトの商品コピーやコラムなど幅広く対応できるのが強み。

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