このレポートは、2024年4月4日~4月7日まで東京ビックサイトで行われた「第13回インターペット~人とペットの豊かな暮らしフェア~」によるものです。

日時:2024年4月5日14:20~東京ビッグサイト東4ホール「ペットとの防災対策」
主催:社団法人 日本ペット用品工業会
司会: NPO法人アイナス理事長 平井潤子 
ゲストスピーカー:環境省自然環境局総務課動物愛護管理室 室長補佐 後藤瑞枝(獣医師)株式会社ジャパンペットコミュニケーションズ副社長 佐藤おりは(獣医師)

第13回 インターペットセミナー(2024年4月5日)レポート

令和6年1月1日に発生した能登半島地震において、被災されたペットに関する対応が報告されました。

国としては従来から同行避難を推進している中、今回の能登半島沖地震における被災地の実態把握に職員を現地に派遣し、住民や自治体によるペット同行避難状況チェックや情報収集を実施した。なお共同避難場所におけるペット同伴への拒否や、避難所に入れなかった飼い主とペットが個人避難した納屋で死亡するという悲惨なトラブルも一部見受けられトレーラーハウス(ペット避難の為の一時預かり所)設置、仮設住宅のペット共生化、迷いペット情報サイトの開設等を実施している。しかし災害時の自身とペットを守りながらの自助、共助の難しさが報告されていた。(環境省後藤さん)

司会で各地でペット防災の講演を実施するNPOアイナス平井さんからは、避難所におけるペットアレルギーの原因や、被災者間でのトラブルを防止する策等の説明がされた。 

特にペット同伴避難場所でのペットの保管状況の実態と、その為に日頃からのペットへのハウストレーニングやいざという時の為に普段から用意すべき緊急避難グッツ等の説明があり、災害時の犬の靴の重要性を訴えていた。なお平井潤子さんは昨年11月の練馬区主催ペット防災セミナーでも講師をされており、当社が実施した練馬区「ルーチェ光が丘」おけるペット防災セミナー教材でも利用させて頂いております。


日本ペット用品工業会の監事でジャパンペットコミュニケーションズ副社長佐藤おりはさんからは現地における民間による後方支援としてゲージ、フード、シーツの寄付、移動式獣医による診察や治療等の案内がされました。

以下は、石川県が被災されたペットの飼い主を支援するために実施している取り組みです。

 ペットに関する相談窓口

ペットの飼い主でお困りの方や、飼い主が周りにいらっしゃる場合は、相談窓口にご相談ください。例えば、仮設住宅でのペットの飼い方に悩んでいる方や、迷子になったペットを探している方などが対象です。

 犬猫の保護情報

被災された犬猫の保護情報が提供されています。迷子になったペットが見つからない場合や、ペットを一時的に預かってほしい場合など、詳細な情報は外部リンクのチラシ「迷子のペットをお探しの方へ」で確認できます。

 犬猫の譲渡情報

震災により保護された犬猫が増えているため、譲渡を進めています。譲渡にご興味のある方は、犬猫の譲渡情報掲載サイトをご覧いただけます。

 犬猫の一時預かり

被災ペットを新しい飼い主に譲渡する前に、一時的にご自宅などで預かってくださる「社会化ボランティア」を募集しています。人馴れしていない猫の取扱いに慣れている方は、ぜひお申込みをお願いいたします。

 被災者支援への募金

被災者とペットを支えるため、令和6年能登半島地震動物対策本部への募金をお願いしています。

能登半島沖地震に加え隣国の台湾でも大きな地震災害が発生していたのでペット防災セミナーへの関心の高さが感じられた。

なお石川県では熊本地震時のペット対応遅延を反省し1月8日には県による動物対策本部を設置して獣医師会と協力の下、車による屋外巡回診療や一時預かりシステムを構築し現在1日あたり平均200等のペットを預かっている。(熊本地震の時は動物対策本部開設が地震後1か月を経ってからだった。)

上記のように被災地でのペット防災に向けた取り組みが進められており、被災者の皆様とペットの安全をサポートしています。

災害時ペットの避難(同行避難と同伴避難)

同行避難」は、災害発生時に飼い主が飼育しているペットを同行し、避難所まで安全に避難することを指します。避難所でペットと飼い主が同室または同じ空間で避難生活を送ることではありませんが、ケージに入れての避難を原則とし、屋内にペット用スペースを確保することが一般的です。

具体的には、犬や猫、小鳥、ハムスターなどの一般的なペットは同行避難が可能です。ただし、犬や猫以外のペット(例:爬虫類、鳥類、小型哺乳類など)は避難所での受け入れが難しい場合もあります。状況によっては、同行避難が難しい事態も考えられるため、万一のときの預かり先を確保しておくことも大切です。 「同行避難」とは、災害時に飼い主がペットを連れて一緒に避難することを指し、避難所でペットと一緒に過ごせるかどうかは各自治体や避難所の判断に委ねられています。

環境省は、災害時に飼い主がペットを連れて避難する「同行避難」の円滑化を目指しています。この方針は、市区町村などが災害の事前準備や発災時の対応において実施すべき事項を確認できるチェックリストを作成することで具体的に推進されています。

一方、「同伴避難」とは、ペットと一緒に避難し、かつ避難所で一緒に過ごすことを意味します。環境省が作成している「災害時におけるペットの救護ガイドライン」では「ペットの同行避難」が推奨されていますが同伴避難とは異なります。同伴避難は前述の通り各自治体や避難所の判断に実施は委ねられています。

なお、同行避難はペットの飼い主が自己責任の下で行うため、ペットと飼い主の絆を守りながら避難することができます。災害時には、ペットと一緒に避難できるよう、日頃からキャリーバックやケージに入ることなどに慣れさせておくことも大切です。

つまり日ごろからの備えが重要なのです。災害が発生した際に適切な対応ができるよう、ペットの健康管理や防災用品の備蓄、身元表示などを日常的に行っておくことがとても大切です。災害時には、飼い主がペットの安全を守るために自己責任(自助)で行動することが求められます。

しかし同伴避難ができるところでは、お互いに助け合いながら生活をすることになり共助が大切となります。このような対応により、ペットと飼い主が安全に避難できる環境を整えることが目指されています。

出典:環境省「ペットの災害対策」https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/disaster.html

同行避難は国による避難方法

ペットとの同行避難とは、災害が予測された際にペットを連れて安全な場所へ移動することを指します。具体的には、台風や水害、地震などが発生した際に、自宅にとどまることが危険な場合に、ペットを連れて避難することです。避難場所は自治体が指定する避難所だけでなく、高台にある建物、親戚や友人の家、ホテル、車内なども含まれます。

同行避難の背景として、過去の大規模災害でペットを連れて避難した際に生じたトラブルが問題となり、全国的にペットの同行避難が検討されるようになりました。特に阪神淡路大震災や東日本大震災では、ペットの同行避難が十分に行われなかったこと(下記参照)が問題となりました。

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平成7年の阪神淡路大震災で、ペット連れで避難した被災者と他の被災者とのトラブルが問題となり、全国的にペットの同行避難が検討されるようになりました。

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平成23年の東日本大震災では、避難指示区域で飼われていた犬と猫はおよそ1万6,500匹いましたが、同行避難の原則が広く知られていなかったため、わずか1,670匹しか同行していませんでした。

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自宅に残されたペットが津波や家屋倒壊で犠牲になったり、避難後に自宅に戻ったペットが心配で飼い主が津波の被害に遭う事例もありました。

同行避難に備えるために必要な持ち物には、リードやハーネス、キャリーバッグ、ペットフード、薬、鑑札や予防接種済表、マイクロチップな(ある場合)どがあります。なお先日練馬区役所の防災課に確認したところ緊急時の同伴避難所は指定された各小学校体育館に持参されたクレートを積み置く形を想定しておりプラスチック等のハードなクレートが最適との事でした。大型犬派平置きのゲージとなる予定です。

なお、ペットの大きさによって、適切な同行避難方法が異なります。小動物はキャリーバッグやキャリーリュックに入れて運び、中型犬以上はリードやハーネスを付けて歩いて避難します。また、多頭飼育の場合は、1人で複数のペットをリードで連れて歩くのは危険なため、キャリーバッグやリードで一部のペットを運び、残りのペットをリードで連れて歩くことが推奨されます。

避難所でのペット同伴については、各避難所の判断により設置されるかされないか、飼い主と一緒に生活可能か、ペットスペースでの分離生活となるか決定されますが、ペットの命を守るために同行避難に備えて計画を立てることが重要です。計画に基づき、同行避難場所までの経路確認や持ち物の事前準備など日頃からの準備も重要です。

ペットとの避難計画、命を守るための手順

国や役所は災害時にペットは基本的に同行避難する事を呼び掛けております。今までの震災にて残したペットを探して損壊した住宅に入り死傷されたり、ペットと一緒に納屋や自動車に寝泊まりして体調を壊してしまう例が多くありました。

但し緊急避難所で飼い主さんとペットが一緒に(同じスペースで)生活できる同伴避難が出来る施設はほんの一部です。

今回の能登半島沖地震でも、ペットと同行避難された方に地域のお年寄りたちがペットを生活スペースに入れることを拒否、やむなく自宅に戻り納屋でペットと生活されている方が見つかりました。

同行避難
同伴避難

災害時、肉球を守るために靴を購入し、普段から靴に慣らせる練習をしましょう。

同伴避難所は通常、スペースが用意されるだけなのでハードタイプのクレート持参で避難します。なお普段からクレートで生活が出来る練習が必要です。

ハードタイプのクレート
肉球を守る靴
弓達 隆章
Yudate Takaaki

[株式会社アドバンスネット ペット共生型賃貸管理業エグゼクティブアドバイザー]愛媛県出身、法大院卒(経営管理修士)。34年間の損害保険会社勤務を経て2018年「共生社会におけるペット保険の現状と将来」を慶大保険学会で発表。日本と海外におけるペット共生文化の相違、今後の展望をまとめる。その後、大手賃貸管理会社にて保証ビジネス担当。2022年よりイチイグループにてエグゼクティブアドバイザー兼ライター。ペット共生型賃貸不動産オーナーのための経営情報、シニア向けペット共生のすすめ、自治体と協調したペット防災等の情報発信中。防火防災管理士、賃貸住宅経営管理士。 なおペットはずっとマルチーズ派。