「人気設備が導入しやすくなった!」入居促進に期待高まる

国土交通省や一部の地方自治体が「宅配ボックス」を設置する事業者や個人等に、助成金・補助金を出すという新たな施策が始まっています。

助成金を申請できるのは、駅やコンビニ・スーパー等の公共施設や賃貸・分譲の集合住宅、優良認定を受けた一部の戸建てなどです。

地方自治体では例えば東京都板橋区の場合、設置金額の50%・上限15万円まで助成しています。

今回の制度は既存物件も対象となるため、「人気設備の宅配ボックスが導入しやすくなる」との声も上がり、入居率を高める好機と言えそうです。

但し、助成事業に着手した自治体はまだ一部にとどまることから、今後の動きに期待が高まっています。

助成金・補助金とは?
  1. 助成金 助成金は国や自治体が定める「受給要件」を満たすことで支給対象となり、返済の義務がない受け取り可能な資金。
  2. 補助金 補助金は国や自治体の定めた「政策目標」に合わせ公募し、審査をして支給される資金のこと。こちらも返済は必要ありません。

CO2削減へ環境対策の一環、感染予防も見込む

なぜ行政は、設備の一つにすぎない宅配ボックスの普及に力を入れるのでしょうか。背景にあるのは次のような事情です。

最近はコロナ禍に伴うネットショッピングの普及により宅配便の利用が拡大していますが、配達時に不在の家庭も少なくありません。ドライバーは再配達せざるを得ず、結果的に温室効果ガスCO2の排出量が増えてしまうことが問題視されています。

そこで、行政は地球温暖化対策の一環として再配達を抑制し、物流におけるCO2の排出量を削減するため、宅配ボックスの経費を一部助成し導入を支援していく方針です。

そのうえ、宅配ボックスなら対面の受け取りを避けられるので、感染予防対策としての効果も見込めます。

次回は、国や自治体の具体的な取り組み事例を紹介します。

〈つづく〉

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