オーナーさんは入居者ニーズの変化を読み取りたい!

物件問合せ数で順位づけする「借りて住みたい街ランキング」(㈱LIFULL調査)は入居者の現実的な選択肢が分かる一方で、㈱リクルートの「住みたい街ランキング」は“住んでみたい憧れの街”を選ぶアンケート調査として、将来ニーズの分析に一役買っています。

そんな『住みたい街ランキング』(後者)の首都圏版が2月末に発表され、今年の総合1位には「横浜」が6年連続で選ばれました。横浜の魅力は、「働く場」「文化・娯楽施設の充実」「大規模商業施設がある」などが多くの支持を集めています。

ランキング上位の街は、働く・遊ぶ・買い物の3要素が揃っているところに人気のわけがありそうです。
こうした調査データは入居者ニーズの変化や社会の動きなどを反映しますので、不動産オーナーにとっても見逃せません。

首都圏1万人アンケートで順位づけ

首都圏1万人アンケート

今回の『SUUMO住みたい街(駅)ランキング2023 首都圏版』は、㈱リクルートが首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県)に居住する20~49歳の1万人に行ったWEBアンケート(今年1月初旬)をまとめたものです。

では、2023年のトピックスや見どころを見ていきましょう。

【2023年 トピックス】
1.「横浜」が6年連続1位
2.「大宮」が20代・30代ランキングで初の2位に
3.「新宿」が得点ジャンプアップランキングで1位
4.「所沢」は20代女性票がけん引し、初のTOP30入り

「新宿」が3年ぶりに得点大幅アップ!

新宿3年ぶりに大幅アップ

2023年の住みたい街(駅)ランキングの首都圏において、今回注目される街の一つが、3年ぶりに得点が大幅にアップした「新宿」です。

【今回の見どころ】
1. 総合1位は6年連続で「横浜」。TOP3の「横浜」「吉祥寺」「大宮」はいずれも得点を前年より伸ばした。
2.「恵比寿」は4位でコロナ禍以降3年連続で得点ダウン。5位「新宿」は3年ぶりに得点大幅増。
3.「鎌倉」は8位と2018年以降で最高位。「渋谷」「東京」は2018年以降初めてTOP10にランクイン。
4.続いて11位以下では「舞浜」「みなとみらい」「有楽町」「所沢」「和光市」「新浦安」「守谷」が2018年以降で最高位。

新宿の街の魅力項目として高かったのは、「魅力的な働く場や企業がある」「文化・娯楽施設の充実」「仕事のできる施設(コワーキングスペース等)がある」などで、電車・バスで行きやすいといった交通利便性も上位に挙がりました。

「所沢」は駅前再開発など話題呼ぶ

首都圏ランキング

続いて、得点がジャンプアップした街(駅)のランキング首都圏では、「新宿」が昨年と比べて大幅のアップ。「所沢」が7位に入ったのも興味深い結果でした。

【今回の見どころ】
1.昨年と比べて最も得点が上昇したのは「新宿」(661点→789点)。
2.「舞浜」の6位と「鎌倉」の9位など、近郊観光地の駅がTOP10に。
3.「所沢」は7位に入り、理由は「駅周辺の再開発」「ところざわサクラタウン」「西武園ゆうえんちのリニューアル」で話題呼んだことが挙げられます。

続く都心の低迷と郊外の上昇

リクルート社のSUUMO(スーモ)ジャーナルでは、都心の低迷と郊外の上昇傾向は続くとしてこう分析しています。

『11位~25位までを見ると、顔触れは同じようですが、順位が少し入れ替わっています。
品川や表参道などの都心の街がランクダウンし、舞浜や船橋、立川など郊外の人気の駅がランクアップしているのです。
都心の低迷と郊外の上昇傾向は、2022年も見られた現象でした。
コロナ禍により、今回も自分の暮らしている街から近い街が再評価される傾向が続いているようです』

引用:「SUUMO住みたい街ランキング2023 首都圏版」この記事と画像の出典:㈱リクルート 公式サイト及びSUUMOジャーナル(山本久美子氏執筆記事)