住みたい街を選ぶ基準は、家を借りるのか購入するのかによって左右されるようです。それを物語っているのが、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」がアンケートを実施した「2023年 LIFULL HOME’S みんなが探した!住みたい街ランキング(首都圏版)」。

同ランキングでは「借りて住みたい街」と「買って住みたい街」について調査していますが、ランクインしている街は全く異なる顔ぶれです。今回は「買って住みたい街」の調査結果をご紹介します。

▼「借りて住みたい街」ランキング結果はコチラ

4年連続1位のあの街! ランクインしている街の共通点は〇〇にあった!

2023年買って住みたいランキング

「買って住みたい街ランキング」の1位は4年連続で「勝どき」がランクインしました。東京五輪で湾岸エリアの不動産価格は上昇しましたが、東京五輪終了後も、物件のグレード・価格・広さ・販売動向などが、物件購入を検討している人の関心事となっているようです。また、都心にありながら広いことも評価されていて、幅広い層から支持を受けています。

2023年買って住みたいランキング  地図

ランキングを見ると、神奈川の人気エリアが上位にランクインしています。今回のランキングで最たる特徴と言えます。「横浜(3位→2位)」は上位の常連ですが、注目すべきは「平塚(5位→3位)」、「茅ケ崎(20位→4位)」の2箇所です。特に茅ヶ崎は大幅アップとなっています。理由は新たな物件開発です。

都心で新築タワーマンションを購入するとなると、1億円を上回る価格帯は珍しくありません。それに対して、湘南エリアでは比較的手の届きやすい価格帯で販売されています。

都内エリアにも大きな動きがありました。「田町(61位→5位)」や「半蔵門(240位→11位)」、「浜松町(188位→25位)」、「麻布十番(338位→28位)」「駒込(117位→31位)」が注目を集めている理由は物件開発です。いずれもそのエリアに対する期待というよりも、久しくなかった新たな大規模な物件開発によって注目を集めています。

一方、前回上位だった「白金高輪(2位→12位)」や「東中野(9位→22位)」は、物件開発の終了によってランクダウンとなりました。

都内・神奈川どちらにも言えるのは「物件開発」があるということ。購入検討者の関心事及び住む街を決める要因は、物件ありきと言っても過言ではありません。

大幅ランクアップの理由は何? 買って住みたい街「急上昇ランキング」

買って住みたい街  急上昇

ランキングTOP100に入った駅のうち、前年から順位を上げた駅をランクアップの大きい順に並べた「急上昇ランキング」。その結果、全て都内かつ都心に位置する駅ばかりでした。同ランキングも同様に、周辺で開発プロジェクトが始まったことが話題性を高めている要因です。

1位の「神保町(1119ランクアップ/1210位→91位)」は、約10年ぶりに新築マンションが2棟分譲されたことによるもの。これまで住宅地のイメージがなかった神保町に「マンションが建つ⁉」という意外性が話題となりました。

2位の「御茶ノ水(455ランクアップ/493位→38位)」も同様に、駅周辺や文京区湯島でのマンション開発が急上昇の要因です。3位の「西新宿五丁目(445ランクアップ/527位→82位)」は、駅近くで約2.4haもの大規模再開発が継続中。35階建てのタワーマンションが大きな関心を集めています。

同ランキングも物件開発によるランクアップとなりました。来年のランキングはどうなるのでしょうか。今後の動向を楽しみにしていましょう。

出典元:(株)LIFULL<首都圏版> 2023年 LIFULL HOME’S みんなが探した!住みたい街ランキング

筆者:阿部 恭子

家具会社の勤務経験を活かし、インテリアや住宅に関わる記事を多数執筆。また、約8年の営業職で培ったコミュニケーション力を活かし、インタビュー記事も手がける。取材人数800名以上。大手ECサイトの商品コピーやコラムなど幅広く対応できるのが強み。