賃貸物件に設置された換気扇が20年を超えた場合、故障などが原因で交換する必要性が高まります。ではこの時、修理や交換費用の負担は誰がするべきなのでしょうか?入居者とのトラブルを未然に防ぎ、オーナー様の負担を最小限に抑えるためのポイントを詳しく解説します。
〝トラブル請負人〟が賃貸物件における換気扇の修理負担について具体的な対応策をお届けします。
入居者とのトラブルを防ぐ対応策
ある日、大家さんが困っていました。理由を聞くと、「ある一室で換気扇が故障していた事が後で分かった」と不満のようでした。
大家さん「入居者が退去した後で、台所の換気扇が使えなくなっていたことが分かったんです。入居者に『修理代の一部を負担してほしい』と電話をしたら、『あんなに古いのに』と納得してもらえませんでした。まぁ、換気扇は設置して20年以上経つけどね・・・」
請負人「うーん、入居者に負担してもらうのは無理があるのではないですか?まず基本的な考え方ですが、換気扇のような物件に付帯した設備は、オーナー様に修繕義務があります。もっとも、使い方などで入居者に故意や過失等があれば、一定の費用は入居者が負担することになります。」
国土交通省の「原状回復ガイドライン」では
請負人「しかしオーナー様、今回の重要な点は設置から20年以上も経過していることです。換気扇の耐用年数は15年と言われますから、故意は別として、換気扇の少し残された価値部分に(入居者の)過失は認められにくいと思います」
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、設備の修繕費用負担は、設備の耐用年数と経過年数を基に算定します。例えば、設備の耐用年数が6年の場合、入居期間がその半分である3年の場合、入居者の費用負担割合は50%程度とされます。ただし、耐用年数を超過した設備については、基本的に入居者の費用負担は発生しないとされています。
参考:国土交通省「現状回復ガイドライン」
大家さん「そうか、それは知りませんでした。でも、このままでは換気扇が使えないままになってしまうし、新しいのを取り付けるにもお金がかかるんだよね。どうしたらいいか分からないよ。」
請負人「そうですね。ただし、オーナー様が修繕費用を負担する義務がある場合でも、入居者に請求できる範囲には限りがあります。例えば、耐用年数を超えた部分や改善工事にかかる費用は、オーナー様の負担となります。」
大家さん「なるほど、でも換気扇は確かに古いし、新しいのを付け替えるのも考えものだな。」
請負人「そうですね。一度、専門の業者に相談してみることをお勧めします。現状の換気扇が修理可能かどうか、また新しいものに交換する場合の見積もりを取ってみてはいかがでしょうか。そして、その情報をもとに、入居者に対しても納得しやすい解決策を模索すると良いでしょう。」
大家さん「なるほど、そうしてみるよ。ありがとう。」
請負人「どういたしまして。何か他にも質問があれば、いつでも聞いてくださいね。」
追記:20年以上経過した換気扇の修理費負担について(最新ガイドライン)
賃貸物件で長期間使用された設備故障に関して、修理費負担の明確なルールがオーナーや入居者にとって重要です。ここでは、国土交通省の「原状回復ガイドライン」に基づき、20年以上使用した換気扇が故障した場合の修繕義務について詳しく解説します。
- 賃貸物件の設備は、基本的にオーナーが修理する義務を負っています。特に設備が20年以上経過している場合、修理費用を入居者に負担させるのは難しいとされています。
- 「ガイドラインに基づく費用負担」 原状回復ガイドラインでは、設備の耐用年数を超えると入居者の負担割合が大幅に低下します。15年以上でオーナー負担が基本となります。
- 「修理か交換かの判断」 修理が難しい場合は、新しい換気扇への交換が推奨され、交換費用の負担についてもオーナーがメインで行うのが一般的です。
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